シンスプリントという症状をご存知ですか?
Q:高校1年の陸上部です。中学1年のときに練習でシンスプリントになってから、いまだに治りません。このような慢性経過のケースもあるのでしょうか?良い治療法はありますか?
シンスプリントは安静やリハビリなどの保存療法で改善することが多いですが、中には慢性化して数年単位で症状が続き治りにくい状態になることがあります。そのような場合は適切な治療がなされていないことがほとんどです。
競技を休んでいても改善しないことが多いことが知られています。慢性化した場合、前述したように痛みのある部位に異常な血管と神経が一緒になって増えてしまい治りにくい状態になっていることが考えられます。これらの原因にアプローチしない限り、根本的な改善は望めません。
詳しくはこのページの後半も参考にしてください。また数年続いている場合は専門の医療機関の受診をお勧めします。
Q:シンスプリントに効果的なストレッチを教えてください。
痛みの部位の骨膜が引っ張られるストレスを軽減するために、ふくらはぎの筋肉をストレッチして柔軟性を保つことが必要です。ここでは有効なストレッチを1つ紹介します。
立位で前後に脚を開き(痛みのある脚は後ろ側)、後ろ脚の踵は床につけたままでつま先を内側に向けて、前側の脚に体重を乗せていきます。すると、後ろ側のふくらはぎの一部の筋肉が伸びて張りを感じると思います。この状態で15秒伸ばします。
このようにすることでヒラメ筋や後脛骨筋などの筋肉をストレッチにより柔軟にすることが有効です。しかしストレッチにより痛みが出るようでしたら、そのストレッチは中止が望ましいです。
ただし、ストレッチは再発予防には有効ですが、ストレッチだけで痛みが治まるわけではありません。痛みが続いている場合は専門の医療機関の受診を検討してください。
Q:バスケットボール部に所属しています。シンスプリントです。練習や試合中のテーピングは有効ですか?
テーピングで圧迫することで、痛めている部分にかかるストレスを軽減する方法があります。すねの足首から1/3程上の骨(脛骨)の内側にテーピングの端を貼ります。そこからふくらはぎを通り、すねを1周するように貼ります。テーピングの位置を上下にずらし、同様のテーピングを3~4つ巻きます。
また、足部のアーチの崩れから、すねにストレスがかかることで痛みが出ている可能性もあります。このような場合は踵が内側へ倒れないようにして土踏まず(内側縦アーチ)を高くするテーピングが有効です。
Q:シンスプリントによる痛みで走れなくなりました。その後3か月経過しますがまだ痛みがあります。どのような練習をするほうがよいでしょうか?
3か月経過しても痛みが続いているという場合は、治りにくい難治例となっている可能性があります。その場合、練習の継続は状態を悪化させ競技復帰を遅くする可能性があります。まずは患部の痛みや炎症を改善させることを優先すべきです。
改善させるためには、余計にかかっている負担を減らすことや、根本的な治療をすることが必要です。負担を減らすためには本ページで紹介しているストレッチなどのセルフケアを参考にしてください。根本的な原因への治療についてはこのページの後半も参考にしてください。
Q:陸上部です。シンスプリントになりいろいろなお医者さんを訪ねています。インソールを勧められています。どのようなインソールが効果的ですか?
扁平足で足裏の踵側に痛みが出る場合、踵の内側(母趾側)を高くして踵が内側へ倒れないようにしたり、土踏まず(内側縦アーチ)を高くしたりするようなインソールを使用すると足底腱膜へのストレスを緩和するのに有効です。
ただし、インソールは症状が改善したあとの再発予防(フォームの修正など)には有効ですが、インソールだけで完治させることは難しい場合が多いです。専門の医療機関に相談してみてください。