世界王者・八重樫東 減量と女性のダイエットの共通点
それでも何度も試合をしていると減量がきついんですよね
2014年の9月にローマン・ゴンザレス戦とのフライ級の世界タイトル防衛戦に敗れ、その年末に挑んだ次の試合で1階級下げてライトフライ級で世界タイトルマッチに挑戦したんですけども、恥ずかしい話、暴飲暴食してしまったんです。計量が終わった後に24時間くらい試合まで時間があるんですが、試合前の計量で48.9kgでパスして、試合の当日に計測したら、57kgくらいに増えてしまっていて…、完全な減量失敗のパターンですね・・・。
体重があまりにも増えちゃって、動きも悪くて、苦しいとこにボディ打たれたら、バタンと倒れちゃって、残念な話ですね(笑)。つまり、暴飲暴食のせいで左ボディブローで倒されてしまってKO負けになってしまったんですね。本当にこの試合は、自分自身反省することたくさんありました。今は、科学的に減量できるんで、昔よりも選手の寿命も延びて、現在35歳なんですけども、35歳でもトップでやっている選手が海外でもたくさんいます。
糖質制限ダイエットはスポーツ選手には向かない
― 減量の時の食べ物は?
何でも食べます。最近は、糖質制限とかよくいってますけど、糖質制限するダイエットはスポーツ選手には向かないですね。糖質は、ある程度制限するけど、ちゃんとご飯(お米)を食べるし、お肉も食べるし、お魚も野菜も何でも食べます。減量中でも最後まで食べます。基本的には、野菜の方が多くなってきてカロリーがなくて、嵩(かさ)があるものをたくさん食べて、その中でもご飯も食べながらという感じで、体重を落としていきます。
体を大きくしてから脂肪を削る
― 筋肉を維持しながら、脂肪を落としたいです。有酸素運動をすると筋肉が落ちてしまったりします。減量中に筋肉が落ちないようにしながら、脂肪だけを落とすにはどうしたら良いでしょうか?
ある程度タンパク質を摂っていると、しっかりとした筋トレで十分まかなえると思うんですよ。筋量はそこまでガクって減らないと思う。脂肪は有酸素運動とともにちょっと減っていくんですけど。むしろ、それだったら、筋トレなら筋トレをガッツリやって、筋量をものすごい増やすんですよ。そうするともちろん脂肪もつくんで、その付いた脂肪を削ったほうが絶対に効率いいですね。
筋肉って分解と合成を同時に行っているんで、そのどっちかを止めようって絶対に不可能なんですね。体重を増やしたい、体を大きくしたいときは大きくしていいんです。で、脂肪を落としたい時は脂肪を落とすことに専念する。その方が体の筋肉自体都合がいいです。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
八重樫東(やえがし・あきら)
1983年2月25日生まれ、身長162cm
岩手県北上市出身、大橋ボクシングジム所属。第23代日本ミニマム級王者。第11代OPBF東洋太平洋ミニマム級王者。元WBA世界ミニマム級王者。元WBC世界フライ級王者。元IBF世界ライトフライ級王者。世界3階級制覇王者。