怪物と呼ばれる男 井上尚弥

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井上尚弥 試合で考えていること、練習で考えていること

 井上尚弥さん


 日本ボクシング界の新エース、WBOスーパーフライ級チャンピオンの井上尚弥選手(24)。2017年は9月に待望の米国デビューを果たし、年末の30日には7度目の防衛戦を控えている。スピード、テクニック、パワーと全ての面で周囲が羨むレベルを兼ね備え、リング上で圧倒的なパフォーマンスを披露し続けている。その秘密はどこにあるのだろうか。

 井上選手は決してルーティンなどにこだわるタイプではない。そんなさっぱりした性格の持ち主による数少ない心がけの一つが、「普段の練習と同じ気持ちで試合に臨むこと」だという。必要以上に力むと100%の力を発揮できないという教訓は、アマチュア時代のロンドン五輪最終予選での敗戦で学んだ教訓だ。

 リング入場の花道では、いつも自然と笑顔になれる。「その瞬間を楽しんでいる」と井上選手。平常心とは突き詰めれば、楽しむという心持ちに行き着くのだという。

 しかし、何の準備もその境地に達することはできない。可能にしているのはやはり日々のトレーニング。「それなりの練習をしているから『楽しむ』という気持ちでリングに上がることができる」と井上選手も言い切る。

 「僕はスパーリングでも常に試合と同じ気持ち。いつも倒すつもりでやっている。練習でやっていないことは、試合には絶対に出ませんから」

 本番さながらの練習を積んだからこそ、試合も練習のような「自然体」で臨める。これだけの練習したんだという自信が迷いや弱気を吹っ切るのだ。


■ 12月7日に販売される雑誌「CoCoKARAnext」では表紙に登場、巻頭インタビューは7ページ掲載されています。

 ※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

 〔文/構成:ココカラネクスト編集部 〕

井上尚弥 (いのうえ・なおや)

1993年4月10日、神奈川県座間市出身。
今もコンビを組む父・真吾氏の下、小学1年でボクシングを始める。相模原青陵高校時代に7冠を達成し、2012年に大橋ジムからプロ入り。戦績14戦全勝(12KO)。15年に結婚した高校時代の同級生との間に今年10月、長男が誕生した。

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