解決・改善のヒントは日常の中に。俳優の要潤、介護福祉士・モデルの上条百里奈らが日本の未来・介護を考える
障がい者も選択肢のある暮らしを
突然、障がいを負うことになり、下肢装具の着用が欠かせなくなった株式会社LUYL(ライル)代表の布施田祥子さん。オシャレが好きで、当事者になった時、「生活をする中で選択肢の少なさを痛感した」と話す。
布施田さんは、小さい頃からファッションに興味があり、なかでも靴が大好きで、毎日その日の服装に合わせて靴を選び、さまざまなコーディネートで自分らしいオシャレを楽しんでいたそう。しかし、障がいを負ったことで靴を選ぶことができなくなってしまったのです。
「体の自由さを失うとともに、オシャレをする自由をも諦めなくてはならないのか?と、世界中を探しても履きたい靴、履ける靴がないのなら、自分が作ろう!」と、下肢装具を着けていてもオシャレに履ける靴のブランドMana’olanaを立ち上げた。さらに、LUYLは「New Standard Shoes Project」と題して、おしゃれでかっこいい、そして障がい者も履ける靴のデザインコンペを開催した。広くアイディアを募集したり、さまざまな企業と協業することで、新たな視点で介護や福祉について考え、課題解決に取り組まれています。
▽参考映像「障がい者に選択肢のある暮らしを にっぽんのおしゃれを変える!」
学生の皆さんの活動や「New Standard Shoes Project」の映像を見た要潤さんは、「介護というと、少しハードルが高いイメージがありました。でも、特別な知識がなくてもできることはあって、日常の中に介護のヒントはあると思うと、すごく身近に感じました。コロナ渦なので難しいこともありますが、会いに行ったり、話をしたりというのもひとつ、できることからやってみたいなと思いました。また、介護する側・される側という壁を取っ払って、ひとつの社会・地域として考えている点もとても素晴らしいと思います。」とコメントを寄せた。
受けなくてもいい介護、受けなくてもいい医療
現役のモデルであり介護福祉士としても施設で働く上条百里奈さんは、「介護分野における情報不足がひとつの課題」と話す。
「介護の現場にいると、認知症だけでなく周辺症状も重症化してから入所される方や、治療をすることもできず、寝たきりの状態になってから入所される方も多くいらっしゃいます。もっと早くSOSを出してくれたら、大きな支えが必要になる前に気づくことができたら…と思うこともあります。介護業界の人材不足は深刻な状況ですが、その背景には情報不足があって、介護や福祉について正しい知識を持つ人が増えたら『受けなくてもいい介護』や『受けなくてもいい医療』を減らしていけるのではと感じています。」(上条百里奈さん)
介護や福祉には、確かに専門的な知識が必要なことや、自分だけで解決できないことはありますが、多くの課題と解決のヒントは、日常の中から見つけることができます。身近なことして捉え、正しい知識を得て、できることから始めてみましょう。その一つひとつが、明るい未来への糧となるはずです。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません