噂のアパホテル社長カレー、大ヒットの陰にあった「逃げない」精神
わがままだからこそたどり着いたこだわりの味
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ホテルカレーといえば、一流シェフがじっくりコトコト煮込んだ、豊かな香りと奥深いコクが自慢の逸品。カレーといえども、各ホテル並々ならぬこだわりを持っていて、レストランの評価を決めてしまうと言われるほど。だからこそ、お値段も立派な金額になってしまいがち。そんな高級ホテルカレーに一石を投じたのが、あのアパホテルだ。
アパホテルといえば、「私が社長です」のキャッチフレーズと、インパクト強めのビジュアルでお馴染みの大手ホテルチェーン。1984年に最初のアパホテルを石川県金沢市内でオープンし、現在では全国最大の498ホテル83.143室(2019年2月現在)を展開している。そんなアパホテルが満を持して発売したのが、その名も「アパ社長カレー」だ。
「実は2010年まで、何百とあるアパホテルでカレーの味が統一されていませんでした。それで、『アパホテルと言えばこの味』というものを作ろうと、カレーの開発に挑みました」。そう語るのは、アパグループの元谷拓専務。「試食を何度も繰り返し、高級感のある味を目指しました。あれこれ試してたどり着いたのが岩崎名誉総料理長のアドバイスにもあった、とんかつソース。これを加えることで野菜を煮込んで凝縮した旨味が増し、後味に高級感とまろやかさが出ます。他にも、カレーの味を美味しくするためにシェフには色々とわがままを聞いてもらいましたけど、わがままじゃないと美味しいものは作れないですよ(笑)」。
試行錯誤を重ねたどり着いた味は、アパホテルの発祥の地、石川県の金沢カレー。じっくりと煮込んだ牛肉と野菜で自然な甘みを引き出し、スパイスで旨味を形成したオリジナルのビーフカレーだ。少し黒みがかったルーはコクとまろやかさがあり、そして程よいスパイシーさが後から追いかけてくる。さらに、金沢カレーらしくキャベツを添えると、甘みや食感で旨さが増長するのもおもしろい。