元ソフトバンク絶対エース・攝津正の「心のマネジメント術」~ルーティンを大切にする~
試合中でもルーティンを大事に
塚越 日常生活にまで影響していたんですね。また一般の社会生活においても『周りがミスするから私の仕事が滞る』といった悩み相談を受ける場合もあります。そこを受け流せるようになるのも大変だと思うんですが、そこはどんなふうに工夫されていましたか?
攝津 無意識ですけど、よくため息をするとは周りから言われます。でも、ため息ってどうなんですかね? 嫌がられる場合もあるんですけど。自分の中では、ため息をすることで落ち着くというか、我に帰るところがあるんですよね。
塚越 ため息は深呼吸と同じく気持ちを呼吸で切り替えられるんです体の方から。でも周りの方から『どうしてため息つくの?』って言われちゃうってことですよね。
攝津 そうなんですよ。全然周りに対しての(落胆の)ため息じゃないんですけどね。
塚越 また話は戻りますが、試合中に立て直すときはどんなふうにされていたんですか?
攝津 試合中にでも深呼吸を入れるようにしたりとか、一息入れるためにジャンプしたりとか、そういったルーティンのようなことはしていました。そういう動作を意識的に入れるようにしていましたね。
(次回はさらに攝津氏の「気持ちの切り替え方」について深く掘り下げます)
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
塚越友子(つかこし・ともこ)
社会学修士号(社会心理学)教育学修士号(臨床心理学)。公認心理師・臨床心理士・産業カウンセラー。
コミュニケーション論の研究から興味を持った広報・PRの仕事に従事する中で過労から内蔵疾患を発症、治療生活でうつ病を発症する。キャリアチェンジを余儀なくされ、身体・精神の健康とキャリアのバランスをとること、働く人の精神的不適応と家庭のサポートについて興味を持ち、産業カウンセラー資格取得後、2008年に東京中央カウンセリングを開業。
現在は、2017年より東北大学大学院博士課程後期に在学し、自殺予防研究特に、希死念慮を抱えている人に対する家族のサポート方法について研究を行いつつ、個人カウンセリングも行っている。
攝津正(せっつ・ただし)
1982年宮城生まれ。2008年のドラフト5位でJR東日本からソフトバンクホークスに入団。中継ぎとして結果を残し、先発に転向。12年には17勝を挙げ、沢村賞に輝く。12年から5年連続開幕投手を務めるなどチームに大きく貢献。白血病を発症したことで現在は病気との向き合い方についても積極的に発信している。YouTubeチャンネル「攝津SETTSU#50」。