「ネガティブの塊」高梨沙羅がメンタル強化のために行った事と張本勲氏の「喝」
「想定外の敵」との闘い
「想定外」の敵と闘ってきた。今季第2戦では、スーツの規定違反で失格となった。
飛躍前のスーツのチェックで、股下の長さが規定よりわずか8ミリ短かったという。3位だった第1戦でも同じスーツを着ていたから不可解だ。
欧州関係者は「高梨が強すぎると、欧州の大会では集客が良くない。そもそも女子の競技人口は世界でも500人くらい。
欧米勢が強くないと競技人口も増えない」と、高梨に不利といわれるルール変更も行われてきた。
張本勲氏からの「喝」
2018年平昌五輪で銅メダルを獲得した際も厳しい声があった。大会後、TBS系テレビ番組「サンデーモーニング」のスポーツコーナーで、ご意見番の張本勲氏が「今のままじゃ(優勝した)ルンビに勝てないよ。もっと自己管理して練習を積み重ねないと。助走から差があるんですよ。踏み切りの時、飛ぶ時の練習をもっとしてもらいたいわね」と『喝』を入れた。
ネットでは張本氏の発言が炎上したが、実績からすれば物足りないという意見が挙がったのも事実だ。
張本氏の苦言を受けた?わけではないだろうが、今季の高梨は「(上位勢と)力の差を痛感した。ゼロからやり直す」と宣言。
技術面などで試行錯誤を重ねる一方、第一人者として結果も求められる立場で苦悩した。「失敗の繰り返しが続いてしまうと、苦しい時もあります。試技で感触がよくても、試合で打ち砕かれる。失敗から学ぶ糧は多い、とポジティブに考えないといけない」と心を沈めてきたが、ここにきて取り組んできたことが「かみ合い始めた」と手応えを感じつつある。
上昇気流に乗って、2月20日の世界選手権(オーストリア)に向かう。優勝候補だった14年ソチ五輪で4位に終わるなど、これまで五輪、世界選手権という大舞台で優勝したことがない。メンタル強化と技術向上に結果が伴えば、何よりも大きな自信になる。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]