「スイッチ」を自分で入れるためには? 大人も使える【やる気スイッチ】
「新生活の乗り切り法」や「やる気の起こし方」 #3
やる気スイッチグループのシニアコンサルタントの佐藤広康さんに「新生活の乗り切り法」や「やる気の起こし方」についてお話を伺う第三弾。前回までは、他人や子供に対しても苦労を共感することだけでなく功績を称えることでやる気(感情)のスイッチが入ること、個性によってスイッチのタイプが異なることまでをお聞きしました。
(苦労の共感があるからこそ【やる気】(感情)のスイッチが入る)
自分でスイッチを入れるためには?
自分でコントロールする場合は、「やる気=感情」なので、感情をいかに自分で作っていくかが重要になってきます。何をやると、もしくは何をされると嬉しいか。それは個人で違いまして、それが「個性」です。個性を満たすきっかけがあればプラスの感情が湧きますし、逆にきっかけが個性を満たさなかったり、個性に反しているとプラスの感情を冷ましてしまったり、マイナスの感情になります。やる気スイッチを入れるには、自分で自分の感情を作ることです。やりたいという気持ちが大きいことをよく「熱い」と言い、逆に小さくなることを「冷める」と言いますよね。気持ちの温度は、ある一定の温度が無いと行動に出せなくなります。行動を出し続けるには、熱し続けなくてはならない。放っておくとだんだん冷めてしまい、続けられる温度以下になると「心が折れる」ということになってしまいます。
また、楽しそうにやるとより楽しいという気持ちが沸いてきます。つまらないことをつまらなそうにすることは誰でもできます。つまらないことを楽しそうにやっていくと段々と感情がついてきます。
仕事でも、勉強でもやる気がないときにダラダラやると余計にやる気が湧いてこないので、あえて猛スピードでやってみるのもいいでしょう。早い行動は気持ちの温度を上げるからです。
人間の行動は感情を作ります。学生時代、部活のやる気が湧かない日でも行ってやっているうちにやる気が湧いてくるという経験はないですか?仕事に関しても、楽しそうにやって、行動が早い方が湧くので、そういうやる気が湧く行動を意図的にやると良いでしょう。
また、心の栄養が取れていないときもダメです。心がギスギスしている時はスイッチが入りません。調子が良かった時期にやっていたことを思い返すと、心の栄養が摂れることをやっています。自分の心が満たされた経験をリストアップして、何が要因かを考え、それを明確にし、具体的に行動計画に落としていきます。
身体に対して、栄養摂取を意識するのと同じように、心の栄養摂取も普段から計画に入れておくことが大切です。
基準値を上げる
受験生だったら「もう今日はやる気がない」と言いながらも、志望校に受かるだけの勉強をして受かったら、「やる気あったね」と言われます。やる気というのはモチベーションが高いだけでなく「目標達成できるレベルの行動が出し続けていられるかどうか」ということ。それには「基準値を上げる」ことがポイント。第一回で述べた「どこまでやったら良い」という基準値のことです。
モチベーションが低い時、普通の時、高い時の基準がありますが、例えば、仕事で「アイディアを出して来い。」といわれ、基準値が高い人は、高いときは100個くらい、普通のときは30個、低いときは10個出す。基準値が低い人は、高いときは10個、普通は2、3個、低いときは1つ出せればいいとなると、基準値が高い人はやる気がないときでも結果が出せるわけです。やる気満々でなくても、望む結果が出せる行動レベルを維持できるくらいに基準値を上げればいいのです。
■編集部からのお知らせ
3月7日に発売の雑誌「CoCoKARAnext」では読売ジャイアンツ・菅野智之投手のインタビューの他、プロ野球選手に学ぶ仕事術などストレスフルな時期を乗り越える情報を掲載。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
佐藤 広康(さとう・ひろやす)
(株)やる気スイッチグループホールディングス 商品開発部シニアコンサルタント
愛知県生まれ。小・中学校の校長や教諭などへの現職教育、塾講師などへのコーチング研修、保護者への子育て講演など、教育関係の研修実績は1万人を超える。育成した教員が、文部科学省よりベスト意識改革賞・率先実行大賞・文部科学大臣優秀教員表彰を受賞。その他に、世界的な優良企業で研修する講師や、プロスポーツ選手、オリンピック、パラリンピック選手など最前線で活躍するスポーツ選手のメンタルコーチなど、「人材育成のプロ」を多数生み出している。心と心のふれあいを大切にする人材育成のスペシャリスト。
やる気スイッチグループ
一人ひとりの性格、学力、目標に対応して教える、個別を超えた「個性別指導」を実践する個別指導スクールIEや幼児教育、英会話スクールなどを運営する総合教育企業。
https://www.yarukiswitch.jp/