【講演録】高木豊さん、良い上司の3条件
2017.07.25
人の悪いところより良いところを見る
プロ野球・大洋ホエールズ等で活躍し、現在は野球解説や講演活動でご活躍中の高木豊さん。ご子息3人全員をJリーガーに育てた事でも有名です。
そんな高木豊さんの講演を拝聴する機会がありましたので、その一部をお伝えしたいと思います。
高木豊さん講演録、初回は「良い上司の条件とは?」。
大きく分けると良い上司には下記3つの条件があると高木豊さんは語ります。
良い上司の条件1=人の悪いところより良いところを見る
良い上司の条件2=『誰が言った』ではなく、『何が正しい本質』を見られる人
良い上司の条件3=能力ある人よりも、コツコツ一生懸命の人を優遇する、育てる
では、その一つ一つの詳細を見て行きましょう。
良い上司の条件1=人の悪いところより良いところを見る
高木豊さんがコーチ時代、シーズンを通してやっていくと負けが続く時期がありました。コーチ会議をやっていても負けが込むと雰囲気が悪くなる。
選手の欠点ばかり目につく
↓
そしてそれが愚痴になっていく
↓
そしてまた雰囲気が暗くなる。
↓
前に進めなくなる。次に進めなくなる。
と言う悪循環に陥ってしまいます。勝負事だから負ける事もあるし、それを現実として受け止めるしかない。
勝負事でも、会社でも何でもそうですが、戦う時はその組織やチームが持っている「強み」で戦っていくはず。でも、上記のような負のサイクルに陥ると、その強みが見いだせなくなる。その強みを見ようとしなくなる。
日ごろから、人の良いところを見ようとしなくなると、人の良いところを見出せなくなる。欠点ばかり突くような事をしていると、雰囲気が暗くなるし、先に進めなくなる。
やはり、人は不幸話の方が好きで、話が盛り上がる。でも、ポジティブに明るく組織を持って行かないといけない。そう考えると、人の悪いところよりも、良いところを見るようにして、そう言う人間を育て、そう言う人間が上司になっていかないといけない。
仕事の雰囲気は明るい方が良い。
良い上司の条件2=『誰が言った』ではなく、『何が正しい本質か』を見られる人
コーチ会議をやっていると、言いづらい事も結構意見が出てくる。「あ、いい意見だね」と言う話になったところで、急に球団社長やGMがコーチ室に入ってくる。そうすると、その人が違った意見を言い出す。いきなり、それまで言っていた事とは本質が違う事に対して「良いですねぇ~、それ!」と言い出したりする。そう言う人は、もはや会社の「犬」にしかならない。「言いなり」ですね。
本質を自分で変えてしまう。
そう言う人は「何が正しい」ではなく、「誰が正しい」で動いてしまっている。モノの本質を見抜こうとしない。組織は、本質を見抜ける人を育てないといけないし、分かる人を上司にしないといけない。
良い上司の条件3=能力ある人よりも、コツコツ一生懸命の人を優遇する、育てる
能力がある人は組織を軽視する傾向にある。スーパースターが出てくる。チーム、組織で決められている事を守らない、破る人間が出てくる。そうなると組織は弱くなる。
一方で、コツコツ、一生懸命やる人は組織を大事にする傾向がある。組織の中の一員だと言う認識がある。
優秀な人間が集まると強い組織ができるかと言うと、そうでもない。一生懸命、コツコツ、真摯にやる人が集まった方がチーム力が向上するし、組織がまとまる。そう言う人を育て、そう言う人が上司にならないといけない。
いかがでしたでしょうか?また続編がありましたらお伝えしたいと思います。
高木豊(たかぎ・ゆたか)さん
1958年10月22日、山口県防府市生まれ。多々良学園高校、中央大学を経て1980年ドラフト3位大洋(現・横浜DeNA)に入団。84年には56盗塁で盗塁王に輝いた。ベストナイン、ゴールデングラブなどのにも輝き、”スーパーカートリオ”の相性で親しまれた。93年に、日本ハムへ移籍し、94年に現役を引退。アテネ五輪では、野球代表チームの守備走塁コーチを務める。現在は、野球解説者として各メディアや講演等で活躍中。ご子息3人全員をJリーガーで育てた事でも有名。
ブログ https://ameblo.jp/takagi-yutaka/