【講演録】元MLB・岩村明憲 チャンスを掴むのに必要なものとは?

2017.07.11

 プロ野球・ヤクルトでミスタースワーローズと呼ばれて、WBCでは日本代表として優勝に大きく貢献、そしてメジャーリーグで活躍した岩村明憲選手。現在は、独立リーグ・福島ホープスの選手兼監督兼球団代表、その合間に野球解説や講演活動もされています。今年4月には、今シーズン限りでの選手としての引退を発表されました。そんな岩村選手の講演を拝聴する機会がありましたので、そのエッセンスをお伝えしたいと思います。

岩村明憲

チャンスにしがみつけ!!

― タフと言われる理由とは?

 今、私は、独立リーグ 福島ホープスの選手兼監督兼球団代表をやらせていただいています。福島ホープスに入ってくる選手たちは、まだまだ忍耐力がありません。

 というのは、「最近の子は」とくくるのは嫌なんですが、先日の試合で、先発投手を早く降ろして、中継ぎの選手に4イニングくらい投げさせたんです。その中継ぎ選手に「疲れたか?」と僕が聞いたんです。その選手は「はい、疲れました!」って平気で言うんです。
 これがもしNPBへ行って「疲れたの?」って言われて、「はい、疲れました、、、。」って言ったら、代わりはゴロゴロいるから変えられるんだよって話なんです。僕が言いたいのは、「しがみつけよ!!もらったチャンスに」って。4イニング投げたから、もう疲れましたって言ってたらもう終わりなんです。

 「岩村監督、大丈夫です!明日もいけます!!」くらいの勢いがほしいな、って思います。

 僕は、すごいタフって言われるんですが、プロに入団して、戸田市の寮に4年間住んでいたんです。そこで、二軍で丸2年過ごしました。河川敷で毎日、毎日暑い中で練習をしながら、他球場に試合へ行って、戸田に帰ってきたら必ずその当時の守備コーチの大橋さんにお願いをして「すみません、ノックをお願いします!!」と頼んでいました。
 帰ってきて、ノックをお願いするやつはなかなかいないと言われたんですが、「僕、下手なのでお願いします。」って言ってやっていたんです。

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