目的志向型で自分の人生を生きる
~楽天野球団、インテリジェンスの創業・島田亨さん~

2017.07.22

他人と比較しないからストレスを感じない

島田亨

 今回は株式会社U-NEXTの副社長・島田亨さんのお話をご紹介します。

 ●人材会社「インテリジェンス」の創業者で2000年に上場。
 ●プロ野球で50年ぶりの新規参入の楽天イーグルスの球団社長。
 ●そんな中、初年度から黒字化を果たす偉業を達成。
 ●その後、楽天グループ数社の社長、海外展開の担当役員として代表取締役副社長。

― 20代から経営者としてトップを走り抜いてきた島田亨さんのストレスや疲れとの向き合い方とは?

 私は競争するタイプの経営者ではなく、課題を解決していくタイプ。他人との比較はあまりしないですかね?
 人と比較しないからストレスとか困難ってあまり感じないのかもしれませんね。自分のベスト、ベターを目指す。人を意識すると、人より何が優れているか、劣っているとか、人とのギャップをどう埋めるかとかに意識が行って、きっとそれがストレスの源だと思うんですよね。
 自分が設定した目標に対して課題を解決していくと言うスタイルにすると、大変は大変ですが、あまりストレスは感じないんだと思うんですよね。
 人によってタイプは違うと思うんですが、私がそれやったら死んでしまうと思います(笑)。

「固執しない」、「鈍感力」、「あきらめる事」

― 以前のインタビューで、何かマイナスな事が起きても、それに対して「固執しない力が自分にはある」とおっしゃっていたのが印象的でした。

 「固執しない」、「鈍感力」、「あきらめる事」を身に着ける事によって、スピードが速くなります。だって、ダメなモノはダメじゃないですか(笑)。
 例えば、「何かが起こってしまいました」、「こんな大変な事があります!」と言う状況があったとします。
 もちろん、その解決策を考え、実施する事は大事です。それに対して「何でこんな事が起こってしまったんだろう?」とか反省をして、分析をして、二度と同じミスを繰り返さないようにするのは大事ですが、ずっとそれに対して後悔したり、クヨクヨしたり、ストレスを持ち続けても、何も変わらない。起こった事に対して一瞬ショックは受けるけど、私の場合は30秒でそれが切り替わります。プライベートの場合は、悩みに共感したり、一緒に考えたりしないといけないのですが、仕事の場合はそれで良いと思います。
 若い経営者の方々への投資活動も行っていますが、その辺のコーチングをしていますし、私自身もそこから学ぶ事が多く、ライフワークと思っています。

島田亨

固執しない力と目的志向型のライフスタイル

― 働く若者達へのメッセージを頂けますか??

 以前の若者に比べると、国境を越えて物事を考えられるようになってきています。少しずつですが、日本の小さいマーケットだけではなく、世界を見ているスタートアップの経営者が多くなったな、と感じます。


 「やりたい事があったらやった方が良い」と言う事に尽きる。人生一度きりだし、自分がやってみたいと思う事があるんでしたら、あまり迷わずに進めば後悔は無いと思います。
 日本はアメリカなどと違って、新卒一括採用で終身雇用。日本の会社の40~50代でも優秀な方はたくさん眠っていると思います。やりたい事があれば、少しの勇気を出してスピンアウトして、自分が学んだ事を生かせる働き方、事業をやったらものすごく価値があるんじゃないかな、と思います。
 是非、振り切って欲しいな、と思います。

 「振り切る=やりたい事をやる=目的志向型で自分の人生を設計できる」

と言う事だと思います。

 少なくとも、自分がやりたい事を選んだら、可能性とかストレスとか全然違うと思います。

 私は、24歳の時に宇野康秀さん(USEN社長)達と起業したいと思って起業しているので、そこで人生の選択を一度しているのでしょうね。目的志向型の生き方をしているのはそこからだと思います。
 34歳で一度セミリタイアしているので、ノンストレスな日々でしたが、39歳から楽天球団立ち上げをして開幕まで4か月とかの中で、毎日タスクがタケノコ、槍のように降ってくる日々でした。そんな目茶苦茶たくさんあるタスクの中で、一つ一つ構ってられないし、「70点でもやれれば良し」、「100点満点にこだわらずに70点でもドンドン進んじゃおう」と言うのが顕在化したんでしょうね。

次ページへ続く

カテゴリの最新記事