46秒で棄権して漏らした「不公平よ」の本音 性別不詳の女子ボクサーと対戦した伊戦士が涙「パンチが痛すぎた」【パリ五輪】
ケリフの握手を拒否してリングを降りていったカリニ。(C)Getty Images
参戦が一部で疑問視されていた女子ボクサーの試合は、波乱の結果となった。
現地時間8月1日にボクシング女子66キロ級2回戦が行われ、イマネ・ケリフ(アルジェリア)は、アンジェラ・カリニ(イタリア)と対戦。開始46秒で相手が棄権する形で勝利した。
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ケリフの勝利は波紋を呼んだ。というのも彼女は昨年の世界選手権時に、国際ボクシング協会(IBA)の性別適格性検査で失敗。XY染色体を持っていることが証明されたために、出場権を剥奪された過去あったからだ。
今五輪は国際オリンピック委員会(IOC)が、医学的にも女子競技参戦が問題ない、と判断。満を持して参加しているのだが、一部選手たちからは参加に対する懸念の声が高まっていた。
そうした中での決着は衝撃だった。序盤からケリフの強打を浴びたカリニは、自ら棄権を選択。試合結果が場内にコールされると、25歳のイタリア人は両膝をキャンバスにつけて号泣。ケリフとも握手を交わさずリングを降りた。
試合後、母国紙『La Gazzetta dello Sport』などの取材に応じたカリニは「私は諦めるつもりはなかった。でも、鼻に2度のパンチを受けた時に、それがあまりにも痛すぎて、息が出来なくなって、『もうたくさんだ』と言ったの。胸を張っていくつもり」とコメントしている。