逆田澤問題?ソフトBがMLBドラフトの目玉選手と契約か
衝撃的なニュースが日米球界を駆けた。米スポーツサイト「ジ・アスレチックス」のケン・ローゼンタール記者が、ソフトバンクがカーター・スチュワートという19歳の右投げ投手と契約合意に達したとツイッターで報じた。日本の野球ファンには馴染みのない名前かもしれない。このスチュワート、6月に迫るメジャーリーグ・ドラフトの目玉の一人なのである。
まだ19歳。昨年のドラフトでブレーブスに1巡目指名されたが契約合意に至らず、東フロリダ州立大へ進学していた。いわゆるアメリカの金の卵だ。
「逆・田澤問題」、ともなりかねない前代未聞の補強になる。田澤問題とは、2008年に当時ドラフト1位指名確実とされていた社会人・新日本石油ENEOSの田澤純一投手が、日本球界入りを拒否してメジャーリーグに挑戦した出来事だ。
従来、日本プロ野球(NPB)とメジャーリーグ(MLB)の間には、互いの国のドラフト候補選手とは交渉しないという紳士協定があった。ただ明文化はされておらず、当然罰則なども一切なかった。結果的にNPB12球団は指名を見送る格好となり、田澤はレッドソックスと3年総額400万ドル(約4億4000万円)で契約を結んだ。
大体大時代の上原浩治を筆頭に、花巻東高時代の菊池雄星や大谷翔平ら、ドラフト上位確実な選手がメジャーリーグ行きの意思を示したり、その動きを報じられたことはある。また田澤以外に、指名漏れしたアマチュア選手らがNPBを経ず、直接メジャー傘下球団とマイナー契約を結んだこともある。ただ、紛れもないアマトップ選手が直接MLB球団入りしたという点において、田澤問題は日本球界を大きく揺さぶった。