忍び寄る「高校野球7回制」導入の足音 今こそ選手ファーストを
夏の甲子園では暑さ対策を進めているが…(C)Getty Images
熱中症のリスクは、なかなか軽減されません。
甲子園球場で開催されている第107回全国高等学校野球選手権大会は今年から、暑さ対策をさらに推し進めています。最も高温となる時間帯を避ける「朝夕2部制」は6日間へと拡大していますが、8月6日の「午前の部」第1試合、第2試合ではともに担架が出動するなど、足をつって試合が止まるシーンが見られました。
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現場で取材をする高校野球ライターは言います。
「銀傘によってグラウンドに日陰が作られる『夕方の部』はまだ機能していると言えますが、『午前の部』はめちゃくちゃ暑いですね。お客さんも減っています。暑すぎて甲子園での高校野球観戦も命がけになってしまっている。だったら冷房の効いた部屋で、テレビで見ようということになるのでしょう」
解決策はあるのでしょうか。選手権大会をドーム球場で行えば暑さ対策は解決しますが、高校球児にとっては「甲子園こそ聖地」という「甲子園至上主義」が根強いのも事実です。
「一番いい方法は甲子園球場をドーム化すること。開閉式ではエスコンフィールド北海道などの成功例もある。でも、建設費用をどうするんだという話になってしまう。地球温暖化のスピードがあまりに速まる中で、なかなか解決策が見いだせないのです」(前述のライター)
そこで日本高野連が検討課題に挙げるのが「高校野球7回制」です。従来の9イニングから7イニングに減れば、熱中症のリスクもその分、軽減されます。U-18ワールドカップなどの国際大会でも7イニング制は抵抗なく受け入れられており、すでに今秋、滋賀県で開催される国民スポーツ大会の高校野球は7回制で行われることは決まっています。






