【医師に相談】緊張型頭痛という症状を知っていますか?
[文:オクノクリニック | モヤモヤ血管による慢性痛治療(https://okuno-y-clinic.com)]
Q:緊張型頭痛とは何ですか?
緊張型頭痛は、ストレスや長時間の同じ姿勢などが原因で首や肩の筋肉が継続的に緊張することで生じる、最も一般的な一次性頭痛です。片頭痛のような脈に合わせたズキズキとした痛みではなく、頭全体がヘルメットで締め付けられるような鈍い圧迫感が特徴です。痛みの強さは軽度から中程度であることが多く、日常動作で悪化することはあまりありません。
多くの患者さんで肩こりや首こりを伴い、後頭部から首筋にかけて筋肉のこわばりや重だるさを感じることがあります。慢性的な肩こりがある場合、その緊張が周囲の筋肉に波及し、僧帽筋から首や後頭部の筋肉までこわばることで、後頭部、側頭部、こめかみ、目の周りに痛みを感じることもあります。つまり、肩や首のこりは緊張型頭痛の大きな要因であり、頭痛がひどい時には肩こりも悪化するという相互関係が見られます。
日本では「肩こり頭痛」や「筋収縮性頭痛」とも呼ばれ、肩や首のこりとの深い関連があります。
Q:緊張型頭痛はどんな症状がありますか?
緊張型頭痛の症状は、頭全体、または後頭部から首にかけて重い、締め付けられるような鈍い痛みが持続的に続くことが特徴です。痛みは両側性に現れることが多く、吐き気や嘔吐はあっても軽度で実際に吐くことは稀です。
片頭痛ほど光や音に過敏になることはありません。多くの場合、痛みは「我慢できる程度」で、仕事や家事を続けられますが、集中力の低下や倦怠感につながることがあります。頭痛とともに首筋や肩の強いこりや張り感が現れ、軽度のめまいや体がフワフワする感覚を伴うこともあります。これは筋肉の緊張による血行不良が脳への血流低下を引き起こすためと考えられています。
頭痛の発症メカニズムには、姿勢の悪さ、筋肉疲労、冷えといった末梢の筋肉要因だけでなく、ストレスによる無意識の筋緊張といった精神的要因が重なることで、首や肩の筋肉が凝り固まり、血行不良や筋疲労物質の蓄積、神経刺激へとつながり、頭痛が引き起こされます。
痛みが長引くと、脳の痛みを「感じやすさ」も変化し、慢性頭痛へと移行していきます。これは、長期的なストレスにより痛みを調節する脳内の神経伝達物質(セロトニンなど)のバランスが乱れ、わずかな刺激でも強い痛みとして感じてしまう「痛みの悪循環」に陥りやすくなるためです。
Q:緊張型頭痛の原因は何ですか。精神的な問題もありますか。
緊張型頭痛は精神的ストレスと非常に深い関係があります。仕事や勉強でストレスが溜まる時に頭痛がでたり、逆に忙しい状況から解放された途端に頭痛が出ることもあります。このように心の緊張が身体の緊張を生み、頭痛につながるため、「またストレスで頭が痛い」と感じる人も多いでしょう。
しかし、緊張型頭痛はれっきとした身体の病気であり、「ストレスのせい=気のせい」「精神的な弱さが原因」などと片付けられるものではありません。検査をしても脳や血管に明らかな異常が見つからないため、周囲に理解されにくいこともありますが、実際には筋肉や神経の変化によって起こる生物学的な痛みであり、精神的要因はあくまで引き金です。
一方で、緊張型頭痛を持つ方はうつ病や不安障害を併発しやすいことも知られています。慢性的な痛みや体調不良は大きなストレスとなり、「頭痛のせいで精神的に参ってしまった」というケースも少なくありません。
特に慢性緊張型頭痛では、痛みと抑うつ気分が相互に悪影響を及ぼす悪循環に陥りやすいため、長引いている場合はメンタル面のケアも重要です。ストレスが関連する身体症状を専門的に扱う心療内科でのカウンセリングや、必要に応じて抗不安薬・抗うつ薬を用いた治療も、心身両面からの改善に役立ちます。緊張型頭痛は「心の病」そのものではありませんが、「心」と「体」のつながりが深い痛みであるため、ストレスマネジメントや必要な専門医療によって心身の負担を軽くしていくことが大切です。
Q:緊張型頭痛に効く食べ物や飲み物はありますか?コーヒーは効果がありますか?
緊張型頭痛の発生予防のために摂取するとよいものや、摂取を控えたほうがいいものを以下にまとめてみます。
コーヒーに含まれるカフェインには血管を収縮させる作用があるため、一時的に頭痛が和らぐことがあります。市販の鎮痛薬にカフェインが配合されているのもそのためです。しかし、これはあくまで一時的な効果です。日常的にカフェインを摂りすぎると、逆にカフェインが切れたときに「カフェイン離脱頭痛」という新たな頭痛を引き起こす可能性があります。コーヒーは1日に1〜2杯程度を目安にし、頼りすぎないようにしましょう。
■積極的に摂りたい栄養素
マグネシウム:
筋肉の緊張を和らげ、神経の興奮を鎮める働きがあります。ナッツ類、海藻類、ほうれん草などの緑黄色野菜、大豆製品に多く含まれます。
ビタミンB群:
特にビタミンB2は、エネルギー代謝を助け、神経機能を正常に保つ働きがあります。豚肉、レバー、うなぎ、卵などに豊富です。
水分補給:
水分不足は血行不良を招き、頭痛の引き金になります。のどが渇く前に、こまめに水を飲む習慣をつけましょう。
Q:緊張型頭痛の自己診断・セルフチェック方法はありますか?
これらのうち3つ以上当てはまる方は、緊張型頭痛の可能性が高いと考えられます。
頭の両側、もしくは後頭部に締めつけられるような痛みがある
肩こり・首こりと連動するように頭が重くなる
痛みは鈍く持続的で、数時間〜数日続くことがある
痛みはあるが、吐き気や視覚異常はない(※片頭痛とは異なる)
仕事やストレス、長時間のデスクワークで悪化する傾向がある
鎮痛薬を飲んでも一時的にしか楽にならない
MRIやCT検査で異常は見つかっていない
しかし、上記はあくまでも目安です。ご自身のみで判断せず、頭痛があればまずは専門の医療機関の受診を検討してください。





