日ハム・清宮「泣いている」場合じゃない 深刻な現状とは
プロ4年目の日本ハム・清宮幸太郎内野手(22)に向けられる目が厳しさを増している。今季はここまで一軍昇格はなく、イースタン・リーグで19本塁打を放ち、本塁打王に輝いた。一方で栗山監督はこの点について「(本塁打王を)取ったからって良かったですねと言うつもりはない」と突き放したコメント。
清宮は106試合に出場し、450打席に立って19本塁打をマーク、一方タイトルを分け合ったルーキーの西武・渡部は90試合に出場し、347打席と約100打席少ないながら、同じ本塁打数をマークしたとあって、より高いレベルを求める指揮官からしたら物足りなく感じたことは否めない。
従来から課題として指摘されている「打率の低さ」(1割9分9厘)、打点の少なさ(60打点)も解消されず。これには「一軍で活躍するには最低でも二軍で3割、打点もこれだけの打席数をこなしている割には少なすぎる。いかにチャンスで打てていないかの指標にもなる」(球界関係者)と厳しい目が向けられている。
その清宮は3日のイースタン最終戦で見せた「涙」にも注目が集まった。早実の先輩で今季限りで引退を発表した斎藤佑樹投手(33)のラスト登板で一塁を守った清宮は、6回から登板する斎藤に対し、涙ながらに「最後なので楽しんで投げてください」とボールを手渡したという。夏の甲子園で全国制覇と結果を残しながら、プロ生活は山あり谷ありだった先輩に対し、ねぎらいの涙ともいえるが「まず今の清宮は泣いている場合じゃない。自分の置かれている立場の厳しさを自覚すれば、『明日はわが身』として、あそこはしっかりと泣かずに斎藤の勇姿を目に焼き付けて、今後の自身の糧にする場面。逆に涙を見せたことで甘さを感じてしまった」(同)。