中村紀洋 キャッチボールの極意は「ボールを深く握ること」
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指先で投げると、雨が降っている時は滑りやすく悪送球の危険性が高まる
守備で一番大事なのはキャッチボールです。指導者によって重視している要素は様々だと思いますが、私が最も大事なのは「ボールを深く握ること」だと思います。どういう風に握って投げるかで球筋が変わる。深く握って投げたほうが肩、肘に負担をかけずに投げられます。
子供たちにボールを握らせると、人差し指から親指までの曲線とボールの間に隙間が空いています。投手は指先で投げるのでこの握り方でよいと思います。ただ、野手は違います。指先で投げると、雨が降っている時は滑りやすく悪送球の危険性が高まります。滑らないために指先じゃなくて手全体がボールに引っ付くように握ります。投球前にボールを握って誰かに引っ張ってもらうのもよいでしょう。これで抜けたら握りが浅いのです。まず、深く握ることでボールが抜けない感覚を覚える。投げ方は指を滑らせることが重要です。自宅でもできる練習法で、ボールを真上に投げる練習法があります。この時はボールがきれいに真っすぐに回転することを意識します。真っすぐ回転しなかったら、人差し指、中指のどちらかに力が入っている。2本の指先に同じ力をかけて上に投げます。その感覚を覚えて上から投げることで、真っすぐな回転の正確な送球が投げられると思います。
今月2日から開設したYoutubeチャンネル「N’s method」で実際に子供たちに教えてキャッチボールを実践しているのでご参考にして頂けるとありがたいです。視聴した方から「褒めて伸ばす指導がいいですね」というご意見を聞きましたが、特別意識はしていないです。大事なのは子供たちに野球を好きになって楽しんでもらうこと。キャッチボールがうまくできたらもっと野球を好きになりますから。暴投を投げるなど技術的な問題があっても怒ることはありません。一緒に話し合って修正点を解決すれば良いのです。僕自身も教えることは楽しいので、子供たちが上達する姿を見るとうれしくなりますね。
【野球ファン必見】中村紀洋 YouTubeチャンネル『N’s style』開設!!(https://goo.gl/Jxj56X)
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※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部 平尾類]
中村 紀洋(なかむら・のりひろ)
渋谷高で2年夏の90年に「4番・投手」で激戦区の大阪府予選を勝ち抜き、同校初の甲子園出場に導く。高校通算35本塁打。91年にドラフト4位で近鉄バファローズに入団し、「いてまえ打線」の4番として活躍した。00年に39本塁打、110打点で本塁打王、打点王を獲得。01年も132打点で2年連続打点王に輝き、チームを12年ぶりのリーグ優勝に導く。04年に日本代表でシドニー五輪に出場して銅メダルを獲得。メジャーリーグ挑戦を経て06年に日本球界復帰し、07年に中日で日本シリーズMVPを受賞した。13年にDeNAで通算2000安打を達成。15年に一般社団法人「N’s method」を設立し、独自のMethodで子ども達への野球指導、他種目アスリートを中心にトレーニング指導を行なっている。17年には静岡・浜松開誠館高校で硬式野球部の非常勤コーチに就任。高校生の指導に力を注ぐ。