フェラーリがF1開幕戦で3年ぶり勝利 レッドブルは2台ともトラブルで散る 今季は勢力図が激変の兆しあり
優勝したフェラーリのルクレール(左)と2位のサインツ(フェラーリ提供)
F1の戦力図ががらりと変わった。開幕戦バーレーンGPは20日、決勝が行われ、フェラーリが3年ぶりに優勝を飾った。シャルル・ルクレール(モナコ)がポールトゥウインを成し遂げ、2位にもチームメートのカルロス・サインツ(スペイン)が続いた。
フェラーリの勝利は2019年シンガポールGPのセバスチャン・ベッテル(現アストンマーティン)以来で、ワンツーフィニッシュも同GP以来。開幕戦でのワンツーは2010年のバーレーンGP以来、12年ぶりとなった。
今年は車両規則が大改正され、「グラウンドエフェクトカー」が40年ぶりにF1に復活した。昨季までは車体底面がステップドボトムと呼ばれる段差付きの形状で、ダウンフォース(下向きの力)がかかりにくいデザインとなっていたが、今年からは従来よりも多くの空気流を車体底面と路面の間に通し、気圧を低下させてダウンフォースを作り出す構造に変わった。
さらにタイヤもホイールサイズが13インチから18インチに拡大され、タイヤのパフォーマンスや持続力も大きく変化。どのチームが抜け出すか予測もつかない状況で、これまで2強状態だったメルセデスとレッドブルを抑えてフェラーリが大躍進を遂げた。
ただし、フェラーリを押し上げた大きな要因としてはパワーユニット(PU)の性能向上にあるという。欧州のメディアによると、同チームのマッティア・ビノット代表は「昨季の終わりには(メルセデスやホンダに)25馬力近い差があったので、この差をなくすことが第一の目標だった」としており、パワーアップが課題だった。
しかも、今季から2025年までPUの開発が凍結されるため、腰を据えて大手術を施すのはこの機会しかなかった。そのため、フェラーリは昨年の早い段階で開発体制を今季にシフトしていたといわれている。実際にトップ10入りした中でフェラーリのPUを積むマシンは5台。昨季まで下位を走っていたハースとアルファロメオが中団争いに割って入る大健闘を見せた。