「神格化すべき物語だ」“不当な失格”を乗り越えた加藤未唯の混合ダブルス戴冠に海外メディアも賛辞「多くの支持を受けた」
笑顔で混合ダブルス制覇のカップにキスをする加藤。彼女が見せた不屈の精神力に賛辞が相次いだ(C)Getty Images
心身ともに厳しい状況でのファイナルで加藤未唯(ザイマックス)が輝いた。
現地6月8日に行なわれたテニスの4大大会「全仏オープン」の混合ダブルス決勝に、加藤はティム・プッツ(ドイツ)とのペアで出場。ビアンカ・アンドレスク/マイケル・ビーナス(カナダ/ニュージーランド)と対戦し、4-6、6-4、10-6のマッチタイブレークの末に優勝を飾った。
【動画】波紋を広げた加藤の失格騒動。 物議を醸したボール直撃の瞬間をチェック
渦中の身だった加藤にとって胆力が求められた決戦だった。4日に行なわれた女子ダブルス3回戦では相手コートへの返球がボールガールに直撃。少女が泣きじゃくってしまったために謝罪をし、審判からは警告処分が下されたが、相手チームの猛抗議により判定は覆り、失格を命じられたのだ。
失格処分後には涙していた加藤。しかし、彼女はこの苦しい経験を乗り越えてタイトルを掴んだ。ペアを組んだプッツは試合後のフラッシュインタビューで「最高でした。(加藤は)ここ10日間本当に大変だったと思う」「ミユウと組めて僕は本当に良かった。今日は良く立て直してくれた。第1セット取られても、メンタルの強さを失わなかった」と称えた。
世界的に波紋を広げるジャッジに泣かされた加藤の戴冠劇は大きな賞賛を集めている。ポータルサイト『Yahoo!』の英国版は「カトウは“不当な”失格処分から見事に立ち直った。全仏オープンで味わった屈辱を最高の形で晴らした」と賞賛。さらにオランダの日刊紙『Algemeen Dagblad』も「ローランギャロスでの物議を醸した失格を経て、カトウはグランドスラムの王者となった」と偉業を絶賛。そして、レポート内で次のように記している。
「カトウにとって、まるでジェットコースターのようだった大会は、神格化すべき物語で終わった。常に謙虚だった彼女は多くの支持を受け、不当とも言うべき失格処分の苦しみにから立ち直った」