かつて「高校生レベル」と評価された大谷翔平の進化 MLBの元GMが語った異能さ「彼は全く新しい世界を切り開いた」
打っても、投げても、メジャートップクラスのパフォーマンスを披露している大谷。その活躍に対する評価は刻々と変化している。(C)Getty Images
「バッターとしてのオオタニは基礎的な高校生レベルだ」
これは今から約5年前に『Sporting News』が掲載したレポート記事内で、匿名のMLBスカウトが口にした言葉である。エンゼルス移籍を果たした当時の大谷翔平は「球界最高」と言われる舞台で通用するかが不透明な部分が多く、スカウトとしては当然の評価ではあった。
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そこから月日が流れ、大谷に対する世間の見方は大きく変わった。5年前に「MLBのピッチャーを打つことはできないだろう」とされたような酷評を見ることはなくなり、米メディアで居並ぶのは賞賛と感嘆の言葉ばかりである。
すでにMVPも手にした男はMLB6年目の今季も一大センセーションを巻き起こしている。かつて「現代で二刀流は不可能だ」「どちらかに絞った方がいい」と揶揄された投打二刀流での活躍はとどまることしらない。打者としては現地6月30日時点でMLB全体トップの29本塁打、67打点を記録。投げても16先発で7勝(3敗)をマークして、被打率(.180)と奪三振率(11.99)でそれぞれアメリカン・リーグトップに君臨している。
エースが主砲という非現実的なプレーを実践している大谷。技術進歩もあって選手のレベル飛躍的に伸びている近年のMLBにおいてこれだけの活躍を果たすのは凄まじく、ただただ驚くほかにない。