やはり日本戦の大敗が引き金だった フリック電撃解任の舞台裏「日本からの衝撃的な敗戦後にクビを告げられた」
日本戦後は続投の意思を示していたフリック。しかし、首脳陣は彼の解任に待ったなしだった。(C)Getty Images
電撃的な解任人事は、突然の決定だったようだ。
現地9月10日、ドイツ・サッカー連盟(DFB)は、ハンジ・フリック監督の解任を発表した。前日に行われた日本代表との国際親善試合で1-4と大敗を喫し、直近5試合で1分け4敗となったチームの成績不振を問われる形となった。
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「大惨敗」「屈辱だ」
国内メディアの見出しには辛辣な言葉が居並んだ。そんな代表チームへの逆風が強まる一方という情勢で、突然の決定は下された。日本戦後の記者会見でフリック本人は「私は正しい監督だと思っているし、これからも代表監督を続けていきたい」と責任を全うする意思を示していたが、DFBのベルント・ノイエンドルフ会長は「スポーツ面での成功こそが、我々にとって最優先事項だ」と声明内で断言。来年6月の開催が迫った母国でのEURO2024に向け、再建に本腰を入れる姿勢を明らかにした。
もっとも、内部ではギリギリまでフリックを留任させる声もあったという。ドイツの大衆紙『Bild』によれば、日曜日の早朝にチームが宿泊する5つ星ホテルの「リッツカールトン」で、ノイエンドルフ会長とハンス=ヨアヒム・ヴァツケ副会長、そしてルディ・フェラーSD(現暫定監督)による関係者会議を開催。フェラーSDが「少なくとも代表活動期間中に解任するべきではない」と解任に反対したものの、周囲の反発を押し切れなかったという。
最後は同ホテルの裏口からコーチングスタッフとともに即座に代表を去ったというフリック。同紙によれば、58歳の智将はヴァツケ副会長から「ハンジには申し訳ない。ただ、決断を下す時が来たんだ」と告げられ、チームと袂を分かったという。