今季初メジャー「全英AIG女子オープン」渋野、畑岡ら精鋭ぞろいの日本勢に大会直前インタビュー
上田桃子
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Q.本当に厳しい状況下、試合を終えてイギリスにやって来ました。まず今のお気持ちを聞かせてください。
「不安が多い中での決断だったので、まずは無事にPCR検査も終わって練習ラウンドをできているので、来られて良かったなっていう気持ちと、不安もまだありますけど来たからには楽しみながらやりたいなって思っています」
Q.色々な意味で想いがあるというか、決心されてきたと思うんですが、その辺りの心の動きを教えてください。
「やっぱりゴルファーである前に一日本国民として感染してしまえば持って帰ってしまうかもしれないというリスクもすごく大きく感じていたので、今回は見送った方がいいかなとも思ったんですけど。正直、今日本にいてもどうやって感染するかわからない状態で、AIGに出れるっていう風に聞いた時にちょうど熊本が豪雨で大変な状況だったので、やっぱりプロとして少しでも自分が『頑張ってるなぁ』という気持ちにさせられるチャンスがあるのであれば、自分自身がコロナにかかってしまうというリスクだけでなくて持ち帰るリスクも含めて全部色々考えたときにチャレンジをした方が良いんじゃないかなという風に思ったので、出ようという決断を決めたんだすけど。未だにこれが正解だったかはわからないんですけど、でも来たからにはまずは自分の健康を一番に大事にして、あとは思いっきり暴れられるところはみなさんに届けるっていうのも自分の一つの使命でもあると思うので、そう出来るように頑張ろうと思います」
Q.去年を振り返えるとイーグルを取っての決勝ラウンド進出、見事でした。
「もう、最後は意地でした。パターが入らなくて、去年。ショットは結構調子がよかったので、本当に苦しい展開がずっと続いていたんですけど、もう何でもいいからとにかく入ってくれっていう気持ちでやっていました。本当に入ったので最後まで諦めないと良いこともあるなと思ったんですけど、去年は(渋野)日向子ちゃんが優勝しているので、それくらいやっぱり日本の選手でもチャンスがあったコースであったとは思うんですが、今年は全く違うリンクスなので、日によって天候が荒れればスコアも本当に出ない苦しい状況にはなると思うので。このリンクスで自分がどう4日間プレーできるかっていうところが一番の楽しみでもあってこの大会に出場しようと決めたので、昨年の悔しさも晴らしつつ、しっかりプレーできたらなと思います」
Q.全英の大会イメージそして雰囲気について教えてください。
「アメリカ本土の大会とは違って、ヨーロッパの選手も多く出てますし、ハイボールを打っている選手も少ないので結構玉のコントロールが難しい大会だなって思うんですけど、特に去年以上に、今日1ラウンド回ってみて距離よりもラインの方が大事なコースになっているなと思うので、その辺はアメリカ本土の『どこでもとりあえず飛ばした方が良い』っていうコースとは違って、ラインどりが凄い難しいなと感じています」
Q.グリーン、ポットバンカー、この辺はどうですか?
「結構色々なことを想定して練習してきたんですけど、思っているよりはあんまり顎が高くなかったなっていう感じで。とは言えポットバンカーってどういう入り方をするかで、手前側に付いちゃってテイクバックが取れないっていう時もありますし、ライがあんまり良くないっていうのも今日練習ラウンドをしている中でも多々あったので、バンカーはやっぱり難しいなって思います。普通のコースよりも砂も重いなっていう感じですし、それに伴ってグリーンの傾斜もだいたいバンカーから先に下っているようなアンジュレーションになっているので。バンカーが全部悪いっていうわけではないですけど、入る位置と風とピンポジションによって気をつけなくちゃいけないなという感じです」
Q.その中でも気になるホール、攻略ホールは?
「8番のショートはやっぱりキーになってくると思います。短いですけど右のバンカー入ったら絶対に欲張らずにボギーであがるぐらいの気持ちじゃないと往復ビンタを喰らいそうなホールなのでそこは気をつけなきゃなぁっていう感じでしたけど、まぁそれ以外のポットバンカーはグリーン周りに関してはなんとか出来そうだなっていうフィーリングで、それ以上にティーショットでバンカーに入れないっていうことだけに神経を持っていけたらなと思っています」
Q.今回はコーチと一緒にタッグを組むことになっていますが、その辺はいかがですか?
「正直、コーチがキャディーしてくれなかったら出場するっていう決断は無かったなっていうくらいすごく後押ししてくれたと言うか。こっちに来てからの調整もコーチがいることでどういうのが必要なのかっていうのと、決断を迷わずに出来そうだなっていう心強さもあるので、しっかり力を借りて頑張りたいなって思ってます」
Q.それでは改めて今週に向けてお願いします。
「まずは一日一日、しっかり健康に気をつけて自分が出来る最大限の集中力で良いゴルフをしたいなと思ってます。そしてしっかり4日間プレーして、みなさんに楽しんでもらえるように全力で頑張ってプレーしたいと思います!」
畑岡奈紗
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Q.先週はリンクスコースに手応えを感じた、そして耐え抜いた試合でした。
「久々の試合で、リンクスということもあったんですけど、良い手応えは持てたんじゃないかなと思います」
Q.それを持って今週、今季初のメジャーを迎えます。心境を教えてください。
「そうですね。いつもと違ってメジャーの緊張感というのはあまり無いんですけど、調整は順調にいっているかなと思います」
Q.特に全英のメジャーに対して準備してきた所はどのあたりですか?
「先週も含めて下の硬いフェアウェイに対応できるように、少しバウンスのないクラブを使ってみたりとか、あとはドライバーとかショットで玉の高さの打ち分けだったり、ドローとかフェードの打ち分けの練習をしてきました」
Q.大会の中断期間、長いお休みだったんですけどゴルフに対するモチベーションを持ち続けている要因っていうのはどの辺ですか?
「そうですね。こうやって難しい状況なんですけど、試合を少しでもやろうとしてLPGAが色々と話をしてくれたりとか、この大会のスポンサーさんもそうですけど、動いてくれているのを知っていたので、試合があれば少しでも自分らしいプレーがしたいなっていう気持ちでずっと練習はしてきました」
Q.その中でどんなプレーを見せたいですか?
「やっぱり常に上位に食い込んで優勝争いをするプレーを、自分もそうですしみんな望んでいると思うので、そういったプレーが出来るように頑張りたいなと思います」
Q.こういう難しいコースは我慢が強いられるところ思うんですけど、戦い方はどんな点がポイントになりますか?
「戦い方はやっぱり、あんまり無理をすると大怪我に繋がるホールも沢山あって、ここのグリーンに関しては結構小さくてフラットなので、どこのピンでもグリーンの真ん中から攻めていけばチャンスになるのかなと思っています」
Q.その中で気になるホール、注意したいホールは?
「やっぱり8番ホールがショートホールで名物なんですけど。短いですけど風が吹くと難しいんじゃないかなと思っています」
Q.特に左のバンカーに入れると嫌だなっていう選手もいましたけど、その辺りはどうですか?
「そうですね。グリーンに乗らない限りやっぱり難しくて。細長いグリーンなので左右のバンカーに入れてピン狙うと、また反対側のバンカーに行ったりとかっていうのが考えられるので。左に限らず右からも距離があるので気をつけたいですね、あそこのホールは」
Q.本当に今年も序盤から調子の良い畑岡選手だと思うんですけど、あともう半歩という所でメジャーですが。
「そうですね。あんまり気負わずにいつも通り出来れば結果はついてくるのかなって思っています」
Q.改めて今大会に向けて一言お願いします。
「はい。今季初めてのメジャーになるんですけど、いつも通り楽しく自分のプレーが出来れば良いかなって思っています。応援よろしくお願いします」