令和初のコロナ甲子園が生んだ超「投高打低」!新ルールには課題山積
◆ドラフト候補
前評判が高かった「投手四天王」は明暗を分けた。市和歌山の小園健太は期待に違わぬ実力を披露。プロスカウトからは「ドラフト1位候補」に推す声が多く、大会ナンバーワンの評価を得た。中京大中京の畔柳亨丞は今大会最速149キロをマークし、2完封で4強進出に貢献。一方、大阪桐蔭の150キロコンビ、松浦慶斗と関戸康介は本来の力を発揮できず、自滅する形で初戦敗退した。
4投手以外では、急成長を見せた東海大相模の左腕・石田隼都の評価が高い。29回1/3を無失点に抑え、優勝投手となった。天理の達孝太は193センチの長身から投げ下ろす豪快な投げっぷりで4強に導いた。仙台育英の伊藤樹、北海・木村大成ら好投手が目立つ大会となった。
◆「1週間500球」の球数制限
故障防止のため「1週間500球」の投球数制限が初めて甲子園で導入されたが、多くの課題を残した。準々決勝前の3試合をほぼ1人で投げ抜いた天理・達と中京大中京・畔柳は、準決勝でアクシデントが発生。達は左脇腹負傷で先発を回避、畔柳は「右腕に力が入らない」と中継ぎで登板も途中交代した。総投球数はぞれぞれ459、410だった。制限内でも異変が起きてしまい、投球制限数「500」の科学的根拠が乏しい点が指摘が多数の関係者からあった。大量リードがあった試合で続投させる采配など、指導者の裁量がこれまで以上に注目された。明豊は、タイプの違う左右の投手で3イニングずつリレーするなど、新時代の継投策で決勝まで勝ち進んだ。
球数制限が、ひとつの抑止力となり、故障からエースを守る意識は高まっているが、新ルールには多くの課題を残す結果となった。大会本部は「日程による不公平が生じるといった指摘があることは承知している。3年の試行期間中であり、トータルで考えて今後に生かしたい」と話した。
◆コロナ応援
観客は1試合1万人に制限され、アルプス席の入場券は当該試合を行う学校関係者のみの販売。応援スタイルも例年とは様変わり。ブラスバンド演奏や大声での応援が禁止され、事前録音した応援曲がスピーカーで流された。スタンドでは互いに間隔を空け、手拍子やメガホンをたたいて静かにエールを送った。売り子の姿はあったが、アルコールの提供はなし。入場時にはサーモグラフィーカメラによる検温が実施され、通路のあちこちにアルコール消毒液が設置され、コロナ対策を徹底。コロナ陽性者は1人も出さず、大会を終えた。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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