今季は史上最大の”混セ”か 上位4球団が1差となる中、抜け出すのはどこ?「強み」「ウイークポイント」とは
【阪神】
9日のヤクルト戦(甲子園)に2-1と2試合連続で逆転サヨナラ勝ちを収め、3連勝をマークと勢いをつけてきた。
0-1で迎えた最終回、相手失策などもあり二死満塁の好機にまわってきたのは近本光司。相手守護神の田口麗斗のスライダーを捉えると右へ運んだ。値千金の一打でヒーローとなった。
6月は9勝12敗1分けとなかなか勝ち星が奪えない中苦しんだチームも、7月に入っては5勝2敗と状態を上げてきた。
一方、指揮官の岡田彰布監督は勝負の夏を見据え、着々と手を打っている。打撃不振が目立っていた森下翔太を二軍で調整させるなど、戦力を整えている。9日の試合も9回一死から野口恭佑、渡辺諒、原口文仁、坂本誠志郎と異例の4連続代打を投入。執念で勝利をもぎ取った。
さらに上位を目指すための課題はやはり打線か。昨年日本一の象徴となった1番・近本、2番・中野拓夢の1、2番打者がいかにチャンスメイクできるか、中軸を打つ大山悠輔、佐藤輝明の一発も大きな要素となりそうだ。
【DeNA】
阪神と同じく9日の試合で劇的なサヨナラ勝利を収めたのが4位のDeNAだった。延長11回二死の場面、打席に入ったタイラー・オースティンはフェリスの内角150キロ直球を捉えて、バックスクリーン右に飛び込む確信の10号サヨナラアーチ。首位巨人と1ゲーム差に迫る値千金のホームランとなった。
ここから勝ち上がっていくためにはまずチームの持ち味である強打が注目される。投高打低のシーズンとなっている今季、リーグで唯一チーム打率が2割5分超えの「.251」をマーク(9日現在)。クリーンアップにオースティン、牧秀悟、宮崎敏郎といずれも1発がある強力打線。ほかにも佐野恵太、「打てる捕手」の山本祐大と相手投手からしたら何とも嫌なラインアップとなっている。
ただここから98年以来の悲願の優勝を目指すためには、ミスを減らすことも求められそうだ。7日に行われた阪神戦(甲子園)ではルーキーの度会隆輝の送球がサヨナラ負けにつながったことも話題を呼んだ。1球の重みが勝負を分ける場面も増えるとあって、より細心のプレーが求められる。
近年まれに見る混セということは裏を返せば、どのチームも抜け出せるチャンスがあるということ。6位のヤクルトまで8ゲーム差とあって、各球団のファンにとっては手に汗にぎる、何とも熱い夏となりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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