「完全なる惨事ではない」なぜ角田裕毅のマシンは“遅い”のか? 英メディアが追及した「事情」と「課題」
角田には「まだ大きな改善の余地が残されている」
さらに同メディアは、昨年のスペインGPでも、当時のセカンドドライバーであったセルジオ・ぺレスとフェルスタッペンの間に、今回の角田と同様にコンマ6秒の差が出ていたと指摘。そして「フェルスタッペンはワールドクラスのドライバーであり、扱いにくいレッドブルのマシンを速く運転する類まれな才能の持ち主でもある。つまりツノダのパフォーマンスを寛大に解釈すると、それはフェルスタッペンのチームメイトとしては普通の範囲内の中では悪い方だが、完全なる大惨事というわけではない」と断言している。
「しかし、極めて密集したグリッド配置が、通常ならQ2通過に十分だったはずの差を、恥ずかしい20位という結果に誇張してしまっている」
不振を極める角田については、一部メディアで姉妹チームのレーシングブルズで好走を続けるアイザック・ハジャーとの電撃交代も囁かれている。だが、その話題について同メディアは「ツノダのドライビングにはまだ大きな改善の余地が残されている」と強調。その上で、25歳の日本人ドライバーが抱える課題を指摘している。
「フェルスタッペンとの差がグリップ不足によるものなのか、それとも単純に技術が劣っていただけなのかを見極めるのは難しい。どちらの可能性も考えられる。今のツノダはフェルスタッペンのようなドライビングを試みていることが知られている。彼はそれがマシンの性能を最大限に引き出すために不可欠だと考えている。
しかし、レッドブルは、彼が限界を受け入れ、より自然なドライビングに集中する必要があると感じている。実際、スペインGPでの公式予選でツノダは高速域で明らかに弱点を露呈した。高速コーナーであるターン10の右コーナーで0.1秒も失い、最終コーナーでも大きなリフトが発生し、高速アンダーステアに苦戦した」
マシンに苦悩している角田の置かれた状況は芳しくはない。それでも「個人としてできることはすべてやる」と意気込む彼がいかに立ち直るかは興味深い。“常勝軍団”での生き残りを考えれば、ここから先は今以上の結果を残すことこそが求められるが、果たして――。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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