2025年のJリーグで「ブレイク」するのは誰か?A代表入りも期待される「注目の5人」を識者が選出
【4】伊藤達哉(川崎)
ここ数年、Jリーグを経由せず欧州サッカーへ挑戦する10代の選手が増えているが、宮市亮や伊藤達哉はその先駆者だった。柏ユース時代にハンブルガーSVとプロ契約し、欧州で10年プレーした伊藤が今季、27才で新人Jリーガーになる。
小柄な伊藤のアジリティや瞬発力を生かしたドリブルは、大柄で直線的な選手が多いドイツでこそ、弱点を突くクリティカルな武器になった。それがJリーグでどう通じるか、やや不透明に感じるのは正直なところ。だが、伊藤はそもそもドリブル一辺倒ではない。ドリブル「も」ある連係的なプレーが光る選手であり、特にワンツーは絶品だ。
プレスをかけられても慌てないし、判断良くボールを動かせる。相手を背負った状態から意外な反転突破やワンツーを見せたりと、仕掛けのパターンは豊富だ。伊藤のプレースタイルは、川崎の選手たちとは特に相性が良さそう。成熟を期待せずにはいられない。
また、長谷部監督の就任によりゾーンプレッシングを整備した川崎においても、サイドハーフを務める伊藤のポジショニングは的確だ。攻守共にフィットしており、逆輸入ブレイクの可能性は高いだろう。
【5】田中隼人(柏)
8クラブで監督が代わる今季のJ1。その中でも、戦術的な方向性が大きく変わるのが柏だ。それが良いほうへ転ぶのか、悪いほうへ転ぶのか。今季単年で言えば、どちらもあり得る。
長崎で主軸として経験を積んだ田中隼人は、その鍵を握る選手になりそうだ。左利きのCBは、ビルドアップを志向するリカルド・ロドリゲスのチームでは貴重な存在であり、3バックへの可変も取りやすい。
また、主導権を握りつつもチームが決定力を欠くとき、ネガティブトランジションの保証を含め、先に崩れないように統率するのはCBの重要な仕事だ。昨季の柏は後半アディショナルタイムの失点が目立ち、多くの勝ち点がこぼれ落ちてしまった。これを改善しなければ、スタイル云々以前に結果は得られない。存在感を出してほしいところだ。
[文:清水英斗]
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