投手転向3年目で根尾昂は苦境に? チーム屈指の「生え抜きスター」の生きる道
根尾に対する期待は大きい。1軍で活躍する日をファンは心待ちにしている(C)産経新聞社
3・4月を12勝12敗3分けの5割で終えた中日。2016年以来の月間勝ち越しこそ逃したものの、一時は単独首位に立つなど、ペナントレース序盤の話題をさらった。
そんな中で、チーム屈指の人気選手はファームで過ごす日々が続いている。背番号7・根尾昂だ。
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■転向3年目、オープン戦までは順調も…
驚きの投手転向から、あっという間に3年目を迎えた。
リリーフとして無我夢中に腕を振った転向1年目、打撃投手もままならない状態からプロ初先発まで進歩を遂げた2年目。いよいよ勝負の年と意気込んだのが、3年目の今季である。本人の望みもあり、先発での起用を軸に調整が進められた。
オープン戦までは概ね順調だった。3月の早い段階から5〜6イニングを投げ、開幕ローテ入りへアピール。他の候補との兼ね合いで1軍の切符はつかめなかったものの、そこに極めて近い存在と思われた。現に開幕2軍が決まった際、立浪和義監督は「チャンスは必ず来る」と直接メッセージを送っている。
■1軍行きの必須条件は
2軍での根尾の成績は5試合に先発し2勝2敗、防御率4.18(成績は4月終了時点)。
4月16日のくふうハヤテ戦(ナゴヤ球場)で公式戦初勝利を挙げ、30日の同カードでも白星。今季挙げた勝利はいずれも新規参入チーム相手だ。一方で、2日の阪神戦(鳴尾浜)では2回もたず4失点KO。先頭から連続四球を与えるなど、かねてよりの課題である制球難が顔をのぞかせた。
まずは好不調の波を少なくしていくこと、そしてソフトバンクやオリックスなどの既存球団相手にも好投すること。これらが1軍行きの必須条件になるだろうか。
ともに開幕ローテ争いに敗れた松葉貴大、髙橋宏斗は2軍で好投を続け、1軍でも早々に結果を残している。根尾にとっては置いていかれた感覚もあるかもしれない。今は与えられた機会で課題をつぶし、「その時」を待つ他ない。