西武、ソフトバンクがドラフト1位公表!戦術になってきた「公表」勝率は?
例年より各球団の駆け引きが鈍かったドラフト戦線だが、会議(10月11日)直前になってようやく動き出した。
西武が会議3日前となる8日、西日本工大の左腕、隅田知一郎投手(4年=波佐見)の1位指名を12球団最速で発表。翌9日には、ソフトバンクが秋田・ノースアジア大明桜高の157キロ右腕、風間球打投手の1位指名を決め、公表した。
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事前に1位指名を公表するのは、明らかなメリットを期待してのこと。他球団をけん制し、競合を少しでも減らしたい狙いがある。重複が予想される人気選手の公表であればライバル減らしにつながり、1位当落線上の選手公表であれば、あわよくば単独指名をもくろむ。1位候補に直前まで悩んでいる球団には、悩みの種を増やしてプレッシャーもかけられる。
ここ3年は「公表ブーム」。ドラフト会議前日までに公表したチームが、18年と19年が6球団、20年には7球団に増えた。3年間の統計として、公表選手がした入団したのは19度のうち8度で成功率「42%」。なかなかの好確率といえる。
球団別でみると、中日が根尾(4球団競合)、石川(3球団競合)、高橋(単独指名)と3年連続で公表選手の獲得に成功。くじ運が強いロッテも藤原(2球団競合)、佐々木朗(4球団競合)と2年連続で公表した人気選手を引き当てた。
広島は19年に重複確実といわれた森下を公表したことでライバル球団が手を引き、まんまと単独指名に成功。ルーキーイヤーから活躍して新人王獲得と、他球団を脱帽させた。「公表」を戦術として使う球団が増えたが、逆にDeNAなどのように情報を公開せず、他球団の動向をにらみながらドラフト当日に臨む球団もある。
目玉選手不在といわれる2021年ドラフトだが、西武とソフトバンクが動いたことで、他球団がどう出るか。直前の駆け引きにも注目したい。