「お前はいつも困っている」古田敦也氏と嶋基宏氏 2人の愛弟子が語る「ノムラの考え」
嶋氏は2007年ドラフト3巡目で楽天へ入団。当時楽天の監督を務めていた野村氏との初対面は、入団会見時だったというが、当時の印象について、
「テレビで見て思っていた以上に体がデカくて、怖いなというイメージでしたね。ブルペンに来ても黙って椅子に座っているだけでしたし、最初に何を喋ったかわからないくらい怖い印象でした」と語ると、
古田氏も「僕も1番最初に会った時はビビらされましたよ。プロ野球の監督って、『優勝目指して頑張ろうぜ』みたいなことを言ってくれるのかと思ったら、全然違くて。なんかブスッとしていて、この人わざと怖がらせてるのかなと思うくらい、挨拶もまともにしてくれませんでしたね」と、共に同じ印象を持ったという。
入団当初はほとんど野村監督と話すことがなかったという嶋氏だが、指揮官からあるノートを渡されたという。そこには、どんな教えが書いてあったのだろうか。
「ノートには、打者心理、投手心理、カウントの性質などが書いてありました。大学でこんな話を聞いたことがなかったので、まずカウントが何個あるとか考えたこともなかったですし、投手心理や打者心理についても考えたことないことばかり。最初は新鮮で楽しいなと思ってましたね」
手渡されたノートから、アマチュアとプロの違いを感じたという嶋氏。中でも特に印象に残っている教えとして、このようなことを挙げている。
「『若い時に流さなかった汗は年齢を重ねたときに涙に変わる』という言葉です。若いときは死に物狂いで必死に汗をかく。そこを怠ると、辞めるときに悔し涙に変わるという話をしていて、若い時は一生懸命練習しないといけないんだなと心にささりましたね」
そんな教えもありながら、野村氏からの教えを振り返り、「想像以上に怒られるな」と振り返り、日によって言うことも変化したため、とまどいを覚えたこともあったという。
その一方で、
「ただ、それに対応しないといけないと思いましたし、言葉は悪いですけど、いつか見返してやろうと思ってやっていた時期もありました。僕のプロ野球の基礎となっているのは間違いないと思います」
と、16年にもわたるプロ野球人生は、野村氏の教えがあってからこそと、感謝していた。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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