「F1大阪招致」の動きは波紋広げる 万博跡地に常設サーキット建設なら業界にメリットも
F1の大阪開催は実現するのか。今後の展開が待たれる(C)Getty Images
大阪観光局が将来の「F1大阪誘致」を目指すと表明したことが大きな論議を呼んでいる。すでに常設サーキットの鈴鹿サーキット(三重県)で日本GPが開催されており、仮に大阪開催が決まって、かつ1国2開催が認められない場合、鈴鹿がF1カレンダーから脱落する恐れがある。F1側は積極的に市街地レースを展開しており、大阪と鈴鹿を対立させることでF1側が開催契約の契約金を釣り上げかねない事態にもなりそうだ。
【関連記事】大阪で「F1誘致」構想 吉村洋文知事も協力に前向き
似たようなケースがこの1月に起きた。スペインの首都マドリードで2026年から市街地コースによるスペインGP開催が決まり、長らくホストサーキットだったバルセロナ郊外のカタルーニャサーキットでF1を継続開催できるか注目を集めるようになった。
スペインではスペインGP以外に、同国南部にあるバレンシアの公道を使ってヨーロッパGPが実施されたことがあるが、F1は1国1開催が原則。イタリアで2レース、アメリカで3レースが実施され、その原則は崩壊しているようなものだが、今季は年間24戦。働き方改革で夏休みも設けており、レース数は飽和状態に近い。
スペイン関連では地元出身の元王者フェルナンド・アロンソしかおらず、欧州ではドイツGPもカレンダーから外れており、欧州のF1関係者もカタルーニャサーキットでの継続開催は難しいとの見方が強い。