W杯メンバー発表はなぜドラマになるのか 巻、川口、大久保…日本代表「ラスト1枠」をつかんだ男たち
巻にとっては悔しさの残るW杯だったかもしれない(C)産経新聞社
続いてラスト1枠を射止めたのが、2010年南アフリカW杯の川口。GK3枠のうち、楢崎正剛(名古屋GKコーチ)、川島永嗣(磐田)に続く3人目として岡田武史監督(現FC今治代表取締役会長)から呼ばれた大ベテランは半年以上、Jリーグの公式戦から遠ざかっていたため、大きなサプライズ以外の何物でもなかったからだ。
「川口には昨日電話をして、『第3GKをやってくれるか』と聞いた。本人は『力になれるなら』と快諾してくれた。すでに練習試合をしていて、プレーも元に戻っている。代表合流時には普通のプレーができるという判断で呼んだ。チームにおける存在感があり、若手を引っ張る力が彼にはある。チームキャプテンもしていた選手なんで期待している」と指揮官はコメント。2月の東アジア選手権など、直前の強化試合で結果が出ておらず、不安視されていたチームのまとめ役に指名したのである。
大ベテランはピッチに立つ機会はなかったものの、揺れ動くチームを確実に統率した。直前キャンプ地・ザースフェーで超守備的戦術にシフトした時も、川口が意見を集約して岡田監督に伝え、方向性を統一させた。
長谷部誠(日本代表コーチ)がゲームキャプテンに指名された時も、前任主将の中澤佑二(解説者)との間に立って意思疎通を図り、チーム全体が円滑に進むように努めた。指揮官が見込んだ通り、川口はチームの力になった。そういう意味で、南アW杯時のラスト1枠の価値は大きかったと言える。
もう1人、印象深いサプライズ選出は2014年ブラジルW杯の大久保嘉人。
「今回選んだ選手全員には、それぞれの特徴を出してほしいと思っており、オオクボにもそれを出してほしい。彼は経験があり、クオリティが高く、30歳を越えているが、フィジカルも衰えていない。相手に読まれない動きという、意外性も持っている。私が就任した当初はケガに悩まされていたというイメージがあるが、ここ1年半の彼のプレーは素晴らしいものがある。期待しているのは、彼の経験、クオリティ、意外性だ」とアルベルト・ザッケローニ監督は5月12日のメンバー発表会見で語ったが、大久保が入るかどうかはギリギリのところまで分からなかった。








