“史上最悪の助っ人”と揶揄された男が理論派の米代表コーチに転身 元鷹ペニーの今「とにかく野球に恩返しがしたい」
現役時代に見せていた粗暴な振る舞いとは裏腹に、現場において重宝しているのは、球界のトレンドとなっている「データ」だ。「選手たちには目の前のマシンのことは気にしないで、ボールをこねくり回す前に、ひとまずリラックスして練習しよう」と声をかけるというペニー氏は、ありとあらゆる動作を明確化する指標にこだわる理由を明かしている。
「数字と結果が必ずしも一致するとは限らない。でも、多くの場合、一致しているんだ。私は、今の球界は選手の直感も活かせる余地があると思っている。ただ、ほとんどの場合、高いスピン率や垂直進入角、水平進入角などのデータをみると、分析と結果が一致していることが分かるんだ。これを否定はできないよ」
理論派のコーチとして逸材たちを指導するペニー氏は、“オールドスクールな考え”を持つ選手たちへの異論も口にしている。
「昔ながらのメンタリティーを持つ選手の多くは、分析に完全に反対している。全員とは言わないけど、そう思っている選手は少なくない。データ解析や指標に反対する人たちも、もっと深く考え直せば、今の野球に分析が本当に役立つ場所があることに気づくはずだ」
データを軸とした指導に磨きをかける日々。「今、私が教えている子どもたちが立派に大きくなるまではコーチを続けたいと思っている。私は子どもたちと仕事をするのが大好きなんだ。とにかく野球に恩返しがしたい」と漏らすペニー氏には、「最悪」と言われた助っ人の面影はない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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