経済だけじゃない…日本に「追いつけ追い越せ」で急速に成長する中国野球
中国に10年ぶりに訪れて驚いたのは「選手の体の大きさ」
大きな可能性を秘めた中国野球
「J.T. STRENGTH & CONDITIONING」の代表取締役社長として活動しているJ.T.(高橋純一)と申します。今回は想像を超える速さで進化する中国の野球事情についてお話させて頂きます。
今月10日から4日間、中国の江蘇省に行ってきました。08年に来たときはトレーナーとして中国の野球チーム「江蘇ペガサス」に2か月間お世話になったのですが、10年ぶりに訪れて驚いたのは選手の体の大きさでした。球団や選手たちが食事を重視する自覚を持つようになったのに加え、球場施設内のトレーニングルームには10年前に見なかった中国製の最新マシンがそろっていました。中国は高度経済成長期で野球も各球団が投資するようになり、環境面、食事面の充実が選手の恵まれた肉体を築き上げる大きな要因になっていると思います。
体が大きくなることで打球の飛距離も伸びますし、投手も球速が速くなります。09年の北京五輪では台湾を破り、金メダルを獲得した韓国戦も延長に持ち込むなど中国は決して弱い国ではありません。人口は世界一の13億人以上がいると言われる国で、わずか1%でも1300万人の多さです。少子化が進む日本とは対照的に、野球に興味を示す子供たちが増えればハイレベルの競争になり、飛躍的に強くなる可能性を秘めていると思います。
日本ではあまり知られていませんが、中国の選手たちは日本のプロ野球に強い関心を持っています。同じ黄色人種で体の大きさもさほど変わりません。日本は06年、09年とワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2連覇しましたが、中国も同じアジアの国として刺激を受けています。実際に現地で中国の選手たちとコミュニケーションを取ると非常に純粋で「もっと野球がうまくなりたい」と貪欲ですし、こちらにも色々質問してきます。まだまだ日本野球と技術の差はありますが、中国出身の選手が日本のプロ野球で活躍する日が楽しみですね。
■編集部からのお知らせ
3月7日に発売の雑誌「CoCoKARAnext」では読売ジャイアンツ・菅野智之投手のインタビューの他、プロ野球選手に学ぶ仕事術などストレスフルな時期を乗り越える情報を掲載。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません
[文/構成:ココカラネクスト編集部 平尾類]
高橋 純一(たかはし・じゅんいち)
MLBサンディエゴパドレスで通訳兼コンディショニング補佐を務めた後、千葉ロッテマリーンズ、ヤクルトスワローズ、DeNAベイスターズファーム等でチーフトレーナーとして活動。17年より独立。幅広いストレングス&コンディショニング領域をアレンジ、シンプル化させ、「俺、最高。」「やってみるをかなえる。」をキーワードに老若男女問わず、自分の肉体の可能性を高め、向上していくサポートを行う。コーポレートコンディショニングという企業のトレーニング意識を変えるコーチングも担う。
J.T. STRENGTH & CONDITIONING コーポレートサイト(http://www.jt-sc.com)