3ヶ月以上前から上がっていた指摘・・・無観客試合ならではのトラブルとは?
史上初めて無観客で開幕したプロ野球の公式戦で、想定外のトラブルが起こった。21日のヤクルト-中日戦(神宮)で、中日の与田剛監督が審判団に歩み寄った。バックネット裏の放送ブースから、実況の声がグラウンドまで届いていると指摘した。
内容は「捕手が(内外角どちらかの)コースに寄った」などといった実況放送が、アナウンサーの生声として選手たちに届いてしまっている、という指摘だった。神宮球場の中継ブースはバックネット裏の2階にあり、窓などの遮蔽物がない。神宮球場では、透過性の高いシートを設置して対応するという。
場内がシーンと静まり返った無観客試合ならではのトラブル。ただし、同様の指摘は3カ月以上前の段階から上がっていた。
3月18日付のスポーツ報知では、「静かすぎる球場、アナの実況もぜ~んぶ筒抜け…無観客試合に迫る(後編)」の見出しで、当時は無観客の練習試合として行われた3月1日の中日-広島戦(ナゴヤドーム)での模様を、以下のように報じている。
「関係者によると、中日遊撃手の京田は『静かすぎて守備位置から江田アナの声が聞こえた』と話していたという」
「6回2死一塁、中日のドラフト2位左腕・橋本が広島・長野を1ボール2ストライクと追い込んだ。解説の牛島和彦さんが『ここでズバッと内角に来たら面白いですね』と話した直後、捕手の木下拓がスッと打者の内角に寄った。江田アナは思わず叫んだ。
『木下拓が内角に寄ったぁ!』
その声は、静まりかえったドーム全体に響いた。この球は外角へ外れてボール球となり、フルカウントまでいって二ゴロ。声が結果に影響を及ぼしたとは考えづらいが、江田アナは『遊撃手でも聞こえるんですから、打者や捕手は…。熱戦に水を差すところでした』と苦笑いだった」