日本に求められるのは慎重さ? 韓国球界で広まるピッチクロックへの不満「いったい何の根拠を持って導入したのか」
昨季のメジャーリーグでは大谷もピッチクロックで1ストライクを取られるシーンもあった。(C)Getty Images
昨季にメジャーリーグで本格導入された「ピッチクロック」。野球の在り方を変えるような革新的なルールは、今季も小さくない物議を醸しそうな気配が漂っている。
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そもそもピッチクロックとは、投手がボールを受けてから、ランナーがいない場合は15秒以内、ランナーがいる場合は20秒以内に投球モーションに入らなければいけないというもの。打者も制限時間の残り8秒までに打席内で投球に備えなければ1ストライクをカウントされる。
試合時間の短縮が野球人気の回復に繋がるとして取り入れられた同ルールは、たしかに一定の効果は出した。昨季の9イニング平均の試合時間は2時間40分と前年から25分近くも短縮。併せて観客動員数も前年比で9.5%アップの7074万7365人となった。
この“結果”を好意的に捉え、いち早くピッチクロックを取り入れたのは、韓国球界だった。日本で慎重な議論が重ねられるなかで、KBO(韓国プロ野球)は今季からの導入を早々と発表。すでにオープン戦でも起用されている。
一定の成功を収めた国際的なトレンドに素早く対応したKBO。しかし、昨季のメジャーリーグがそうであったように、現場の声はどちらかと言えば、ネガティブな声が強い印象だ。韓国の日刊紙『朝鮮日報』で名門サムスン・ライオンズの先発右腕イ・ホソンは「終わってみたら大変だと感じた。(捕手と)呼吸を合わせるのも大変だった」と実感を赤裸々に語った。