村上宗隆と大谷翔平の大きな違い。熱望した早期メジャー挑戦を阻む「譲渡金の壁」とは

タグ: , , , , 2022/11/17

(C)Getty Images

 突然のカミングアウトというよりは、必然の訴えだったのかもしれない。ヤクルト村上宗隆内野手が11月14日、日本記者クラブで記者会見し、早期のメジャー挑戦を熱望した。

「アメリカでプレーする権利を得るのは限られた選手。もちろん挑戦したい思いはある。何歳になるかは分からないが、まだ若いので早ければ早いほどいい。球団との話し合いになるが、行けるのであれば早く行きたい」

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 今季は王貞治を抜く日本シーズン最多の56本塁打を放ち、史上最年少で三冠王に輝いた。チームをリーグ2連覇に導き、2年連続のセ・リーグMVPは確定的。史上初の5打席連続本塁打を放つなど、その活躍ぶりからメジャーリーグ公式HPでも特集記事が組まれるほどだった。実際にシーズン中は、多くのメジャー球団のスカウトが、ネット裏に詰めかけていた。

 現在22歳の村上が海外フリーエージェント(FA)権を取得するのは、早くても2027年シーズン。宣言してメジャー挑戦するには27歳を迎えるまで待たなくてはいけない。すでに日本国内では敵なしの勢い。あと5年間も待てない、というのが本音だろう。

 FAとなる前にメジャー挑戦するには、現状ではポスティングシステムの利用しか道はない。そのために「球団との話し合いになる」という台詞を前置きした。ポスティングシステムを利用するには、球団が認めることが必要だからだ。

 この発言を受けて、早速米メディアも反応した。米『CBSスポーツ』は、その中で25歳未満もしくはプロ6年未満の海外選手の獲得に制限がかかる国際ボーナスプールの問題を指摘した。

 大谷翔平も直面した問題で、当時23歳だった大谷は国際ボーナスプールの対象選手となった。契約はマイナー契約に制限され、いきなりメジャー契約は結べない。こちらはマイナー契約でキャンプに参加し、開幕直前にメジャー契約に切り替えることができるのだが、それでもメジャー最低保障年俸からのスタートとなる。年俸以外の契約金も、1チームあたりが1シーズンに使える総額で500万ドル前後(約7億円)に制限され、大谷は231万5000ドル(当時約2億6000万円)に抑えられた。仮にFAでの入団交渉であれば当時でも総額2億ドル(当時約224億円)の巨額契約は必至と言われていたから、異例の安さとなったわけである。

 それでも大谷は夢を追って海を渡った。そして最低保障年俸(当時約6000万円)からスタートし、来季は年俸3000万ドル(約42億円)を保証された。

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