海外FA権行使を表明したロッテ・沢村はどうなる?実は多い「メジャー挑戦を掲げながら最終的に国内球団に残留」したケース

タグ: , , , 2020/11/30

「全ての可能性を考えたいと思ったので、こういう決断になりました」

 金子が交渉のテーブルに上がることを求めたのは、今回の沢村と同じく日米42球団だった。国内FA権を行使すると同時に、ポスティングシステムも申請し、来季所属先を探るというのである。

 オリックスからは早々に残留オファーを受け取ると、金子は11月24日のファン感謝デーに「ポスティングはしない」と方針転換。メジャー断念を表明した。さらに11月末には右肘の手術を受ける事態に。次第に商品価値が薄れる中、オリックスに4年総額20億円という巨額の費用での残留が決まった。

 その後、フルにローテーションを守ったのは2017年の12勝だけで、4年間で通算30勝30敗と、実に物足りない成績で終わった。

 同じ時期に海外FA権を行使しメジャー移籍を探ったのが阪神の鳥谷敬内野手だった。大物のスコット・ボラス氏が代理人に就き、パドレス、ブルージェイズ、メッツなどが獲得に興味を示しているとされた。一方で所属した阪神は熱心にラブコールを送り続けた。

 交渉は長期化し、翌2015年の年明けまでずれ込んだ。ただメジャー契約の正式なオファーは届いていなかった、とも報じられている。こちらも結局1月中旬には残留が決定。5年総額20億円とやはり破格となった。

 どの選手にも共通しているのは、メジャーへの夢や憧れはゼロではなかったのだろう。ただし絶対的なものでもなかった。そして、交渉というビジネスにおいて、常に優位に立てる材料を探し、そのカードをちらつかせることは常套手段。何ら責められたり、批判されるいわれはない。

 沢村は堂々と「42球団」と言ってのけた。単なる夢追い人ではない。ビジネスとして、このストーブリーグに臨む姿勢を示した。





※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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