【フォーミュラE】アウディとBMWがワークス活動撤退を決めた理由とは
電動車シリーズのフォーミュラE(FE)で米自動車メーカーのアウディとBMWが次の2020/21年シーズンを最後にワークス活動を打ち切ると相次いで発表した。
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新シーズンの新フォーミュラEマシンを発表したアウディ(アウディ提供)
これまで徐々に参戦メーカーが増えて、現状ではアウディ、BMWのほか、日産、メルセデス、ポルシェ、DSオートモビルズ、ジャガー、マヒンドラ、ペンスキー、NIOの計10社がしのぎを削っており、撤退表明は初めて。来年1月に開幕する新シーズンから世界選手権に格上げとなり、電気モーターを使う未来型モータースポーツの旗手として最高峰のF1に取って代わると期待されていたが、一転して将来が不安視されるようになった。
BMWは撤退の理由として「e-ドライブトレインの開発に関して、BMWグループはフォーミュラEの競争環境での技術継承の機会を実質的に使い果たした」とコメント。BMWの発表の2日前には、アウディがFEのプロジェクトをワークス活動からカスタマーチーム支援へと業態変化させると発表し、同時に電気自動車でのダカールラリー参戦と、ハイブリッドシステムのハイパーカーによる仏ルマン24時間レースなどへの復帰の可能性を表明した。
e-ドライブトレインとは電気モーターや電気を直流から交流に変換するインバーターなどのことを指す。特にBMWのコメントをみると現行のFEでは電気モーターの技術を進化させるのは難しいと判断したと受け取られてもおかしくない内容だ。
実際にレースの勝負はドライバーのテクニックのほかに、いかに燃費ならぬ電費をセーブしてゴールできるかにもかかっている。バッテリーは各チーム共通のため、独自開発できるのはパワートレインやソフトウエアのコントロール技術の部分。バッテリーから電気をどれだけ効率よくモーターに変換できるかは量産車にも活用できるとは思うが、FEでは、そこに限界を感じたということか。