F1・アロンソがトレーニング中の事故で重傷 本人は開幕戦を見据え、早期復帰に意欲を示すも・・・
ルノー改めアルピーヌの今季型F1マシン(アルピーヌ提供)
オートバイレースの最高峰、モトGPではチャンピオン候補の最有力だったホンダのマルク・マルケスが単純な骨折で1年を棒に振った。昨年7月のシリーズ第2戦スペインGPで転倒し、右上腕骨を骨折。すぐにチタンプレートで患部を固定する手術を受けた。
ところが続く第3戦アンダルシアGPに強行エントリーし、フリー走行に無理を承知で走行したところ、激しい動きで固定していた個所が破損してしまった。その結果、再手術を受ける羽目に。しかも固定していた部位の強度が落ちたことで、その後はレースに出場できなくなり、昨年末には3度目の修復手術を受けた。今季の開幕戦に間に合うかも微妙な情勢だ。
アロンソも無理をすれば、マルケスの二の舞いを演じかねない。私も過去にF1マシンのツーシーターカーに乗車し、レーシングスピードを体験したことがある。体は6点式のシートベルトで固定され、ヘルメット周りもヘッドレストで覆われて身動きができない状況だったが、強烈な横Gや前後Gで頭部が揺さぶられ、特有の激しい振動に常にさらされていることを肌身で感じた。そこを懸念している。
特に上あごの骨は脳や眼球を覆う頭蓋骨と一体化されているため、危険はつきまとう。だから、完全に治ったことが確認されるまではレース出場を控えた方がいいのではないか。ちなみにアロンソはマクラーレン・ホンダに在籍した2015年にも開幕前の合同テストでクラッシュ。脳振とうを起こしたとしてドクターストップがかかり、開幕戦を欠場したことがある。
今年で40歳。過去にチャンピオンを2回も獲得した実力者であり、F1をいったん離れた後は、ルマン24時間で優勝したり、ダカールラリーにチャレンジしたりと謳歌(おうか)していたのだから、焦って開幕戦に無理やりエントリーする必要はない。逆に十分過ぎるほど休んで満を持してF1の舞台に再登場した方が温かく迎えられるのではないかとさえ思う。焦りは禁物なり。
[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]
トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)
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