【シェーファーアヴィ幸樹の視点】歴史の転換点になった今大会のMVPは誰?「河村選手も良かったし、雄太さんも凄かったけど」【バスケW杯】
フィンランド戦とベネズエラ戦は正直、チームとしてはやっぱりまだ相手が上回っていた印象が正直あって、それでもしっかり自分たちのプレーをして、沖縄アリーナの声援を武器に勢いで押し切ったところがあったんです。ただ、カーボベルデ戦に関しては、試合運びやチームの完成度で日本が上回っていたので、本当に日本が強くなったんだと感じました。これからはここがスタンダードになっていきますし、国際大会での決勝トーナメント進出が求められてくると思います。
今大会の日本のMVPを選ぶとすれば、河村勇輝選手も良かったし、雄太さんも凄かったんですが、やっぱりホーキンソン選手を選びたいと思います。彼がいなかったら、日本のバスケは成り立ってなかった、と思うぐらい存在感がありました。今大会の日本で一番プレータイムが長いし、もちろんみんなが助けている部分もありますけど、一人でゴール下で身体を張ってリバウンドをもぎ取っていた。そして、あれだけ身体を張りながら、ファストブレイクでも走っているんです。本当に日本の柱でした。
日本代表は、これからパリ五輪のメンバー入りへのサバイバルが始まります。もちろん、自分もそこにしっかりと入っていきたいと思っています。今大会は、中心になる8人ぐらいの選手がほとんど試合に出ていて、残りの選手はあまりプレータイムがなかったというのが実際のところでした。そういうプレータイムが少なかった選手は、次の五輪では絶対に活躍してやるという気持ちが湧いていると思うので、自分もそれに負けないように、まずはしっかり怪我を直して、所属チームのシーホース三河でいいパフォーマンスを見せたいと思います。
パリ五輪の切符は取れましたが、日本バスケは本当にここがスタート。パリ五輪で惨敗したら、またバスケに対する世間の興味が薄れてしまうと思います。これからは求められるレベルがどんどん高くなっていって、ワールドカップへ出るのは「当たり前」で、決勝トーナメント進出が目標、という世界に入っていくはずです。
今の日本スポーツ界は、サッカーのワールドカップだったり、ラグビーワールドカップだったり、野球のWBCだったり、各スポーツが日本に勇気を与えていますよね。バスケもそういう存在になりたいとずっと思っていました。今回のメンバーがそれをやってくれたので、これからよりバスケへの注目も増すと思うし、Bリーグに興味を持って見てくれる方も絶対増えると思います。そういう熱を絶やさないために、次のパリ五輪ではさらにいい成績を残したいですね。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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