【シェーファーアヴィ幸樹の視点】歴史の転換点になった今大会のMVPは誰?「河村選手も良かったし、雄太さんも凄かったけど」【バスケW杯】
攻守に日本を牽引したホーキンソン。カーボベルデ戦ではチーム最多の29得点を挙げた(C)Getty Images
9月2日に「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の17-32位決定ラウンドが行われ、日本代表(世界ランク36位)がカーボベルデ代表(同64位)を80-71で撃破。来年のパリ五輪の切符を獲得した。日本が今大会初めてリードを守り切って勝利したこの試合を、「現役選手」はどう見たのか。日本代表として東京五輪を戦い、現在は右膝前十字じん帯断裂から復帰を目指すシーホース三河のシェーファーアヴィ幸樹に試合の感想を聞いた。
【動画】リバウンドを取って自ら速攻!バスケットカウントも奪ったホーキンソンの驚愕プレーの映像
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今日の日本は、もう本当にめちゃくちゃ良かったです。試合の出だしから第3クォーターまで完璧な試合運びでした。富永啓生選手とホーキンソン選手など3ポイントのタッチのいい選手がいて、3ポイントが当たってる中でインサイドに切り込んでいったりと多彩な攻撃が出来たので、カーボベルデからしたら本当に手が付けられない状態でした。第4クオーターはカーボベルデの強度が上がって苦戦しましたが、最後はリードを守り切って勝てたので良かったと思います。
この試合でリードを奪えた要因の一つは、やっぱりみんなのシュートタッチが良かったことですね。第2クオーターはほぼすべてのシュートが入っていましたし、それがそのままリードに繋がっていました。
あとは、しっかり相手をスカウティングをしていたことも大きかったと思います。相手のタバレス選手がインサイドで脅威になる中で、日本は簡単にやらせないようにしていました。タバレス選手は、意外にボールを下げるんです。そこを見逃さずに2人、3人でプレッシャーをかけて、インサイドで自由にやらせなかったのが効いていたと思います。
リバウンドは相手に取られる場面が多かったですが、そこからセカンドチャンスで点を取られる場面も減らせました。終盤は相手がコンタクトプレーを嫌がっていましたよね。そうしたしつこいディフェンスを40分間やり続けられたのは本当に良かったですね。
ホーキンソン選手と(渡邊)雄太さんが40分出ずっぱりで頑張っていましたが、フルタイム出場する選手が2人もいる試合はなかなかないですよ。それだけトムHCが信頼しているのもありますし、最後の試合なので出し切って来いという感じだったんだと思います。
2人とも疲れがあるなかで本当に気迫のプレーを見せてくれました。ホーキンソン選手が自分でディフェンスリバウンドをとって、そのまま速攻を決めたシーンなんて、信じられないですよ。出ずっぱりであのプレーができるのは普通じゃない。第4クオーター終盤の苦しい場面でも点を取って相手の流れを切ってくれたし、本当に凄い選手です。大会を通して身体を張り続けて引っ張ってきたホーキンソン選手が、最後に試合を決める働きをしていたのが、僕としては嬉しかったですね。