リネカーが「害虫」と呼んだ“塩ふりおじさん” 波紋を呼んだW杯決勝後の問題行動を回想「1000人以上も人がいたのに僕だけ」
ワールドカップに塩を振りかける行動を見せたギョクチェ氏。世界中から批判の嵐となった彼は当時の振る舞いを語った。(C)Getty Images
今から約半年前、世界中が熱視線を送った舞台で一人の男が見せた行動は物議を醸した。「塩ふりおじさん」の愛称で親しまれたヌスレト・ギョクチェ氏のそれだ。
キッカケは衝動を抑えられなかったばかりに見せた行動だった。昨年12月にカタールで行なわれたサッカーワールドカップの決勝にゲストとして招かれたギョクチェ氏は、試合後にピッチ内へと足を踏み入れる。そして36年ぶりの世界一に喜ぶアルゼンチン代表の面々ともに嬉々とした振る舞いを見せた。
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だが、リオネル・メッシを中心とする“主役”たちと横並びになり、栄光のワールドカップを片手に自撮り写真を収めようとする様は多くのサッカーファンや関係者たちの反感を買った。事実、当時に英公共放送『BBC』のコメンタリーを務めていた元イングランド代表FWのガリー・リネカーは「あいつは誰だ。害虫のようじゃないか」と憤慨。ゲストとしてピッチに招き入れたFIFA関係者を含めて猛烈に批判していた。
一夜にして世界中の人々から憎まれる存在となった「塩ふりおじさん」。だが、渦中の人となった39歳にも思うところがある。英紙『The Times』のインタビューに応じたギョクチェ氏は「アルゼンチンへの愛と興奮が結びついたんだ。アルゼンチンは大好きだし、住んでいた経験もある。ただ好きだったから応援に行ったんだ」と問題行動の舞台裏を回想。そして、こう続けている。
「チームにいる多くの人間が僕の店に来てくれていたから(優勝は)他人事とは思えなかった。僕にとっても特別な瞬間だったんだ。あの場に立った理由については何も言えないけど……」