フィギュアの年齢制限はなぜ?浅田真央、紀平梨花、ロシア勢…
国際スケート連盟(ISU)は1996年、五輪前年の6月30日までに15歳になっていない選手の五輪出場を禁じた。
世界選手権にも適用され、「シニア」と「ジュニア」の基準を明確にしている。この規定により、生まれた悲劇もある。05年グランプリファイナルで優勝し、全日本選手権でも2位に入った浅田真央が15歳に87日足りないため、06年トリノ五輪代表の選考から除外された。今をときめく紀平梨花も、昨年の全日本選手権で3位に入りながら、15歳に21日足りず、平昌五輪代表選考の対象外だった。
ロシア選手権でザキトワを破った3名の若手も…
日本のライバル、ロシアではジュニア勢の躍進が著しい。
12月のロシア選手権では、4回転ルッツを成功させた14歳シェルバコワが初優勝するなど15歳以下の選手が表彰台を独占。平昌五輪金メダリストのザギトワらを圧倒しながら、ジュニアの上位3選手は年齢制限により、3月に行われる2019世界選手権(埼玉)には出場できない。参考まで、世界選手権選考会も兼ねた今年の日本とロシアの国内選手権結果(選手名、年齢、合計点)は以下の通り。
2018年12月
◆全日本選手権
①坂本花織(18歳)228.01
②紀平梨花(16歳)223.76
③宮原知子(20歳)223.34
2018年12月
◆ロシア選手権
①シェルバコワ(14歳)229.78
②トルソワ(14歳)229.71
③コストルナヤ(15歳)226.54
⑤ザギトワ(16歳)212.03
⑦メドベージェワ(18歳)205.90
ロシア選手権の上位3人はいずれも公式戦で4回転ジャンプを成功させた強敵ぞろいだが、シニアに転向するまで、紀平との直接対決は残念ながら実現しない。単純に、世界のトップ同士が実力を競い合えない現行ルールはいかがなものか。