中野友加里が語る「フィギュアスケートのプログラムができるまで」
フィギュアスケート女子・元日本代表の中野友加里が、フィギュアスケートについてあらゆるジャンルからお届けするYouTubeチャンネル「フィギュアスケーター中野友加里チャンネル」。
第4弾となった動画では、「フィギュアスケートのプログラムができるまで」について解説。
選曲から衣装選びまで、選手たちはどのようにしてつくり上げているのだろうか。
振り付けの先生と選手、双方の意見が合った曲を選ぶことがベスト
「まず選手たちがすることは、選曲です。自分で好きな曲を選ぶことも、もちろんありますが、シーズン最後のことまで考えて選ぶといったケースもありますね。
そのシーズンの試合がどこで行われるのか、そういった土地柄を考えながら選びます。
例えばシーズン最後の世界選手権の開催国が日本だった場合には、日本にゆかりのある音楽を選ぶ選手が多いですね。」
と曲選びにも選手それぞれのやり方があるという中野さん。
では、選手たちはいつ頃から選曲し始めているのだろうか。
「シーズンが終わってから5月〜8月がオフシーズンなんですが、そのオフシーズン中に、新しいプログラムを制作します。自分が選んだ曲はもちろんなんですが、振り付けの先生が選んだ曲を使用することもあります。
ただ、選んだ曲が振り付けの先生と意見が合わないことがあるんですよね。
お互いの意見が合わなかったりすると、選んだ曲を変更するパターンもあります。
意見が合わないままにしてしまうと、気持ちが乗らないまま大会を迎えてしまう。
そうなると、それが全面的に出てしまうんです。
それを避けるためにも、振り付けの先生と選手、双方の意見が合った曲を選ぶことがベストかなと思います。
あとは、音楽ってやっぱり、演技や戦っていく上で凄く重要な要素なんです。
衣装プラス音楽を身にまとって演技をするものなので、意見が合ったものを選ぶのがいいと思います。」
ショートとフリーの整合性の重要度について
フィギュアスケートは、ショートプログラムとフリースケーティングの2つのプログラムを滑る。このショートとフリーの整合性の重要度について中野さんはこう語っている。
「勝負曲を選ぶ上で、どういう曲想にするかということを凄く選手たちは悩むんですが、1番は、自分の得意なジャンル、表現しやすい曲を選ぶことだと思います。
ただ、ショートとフリーで同じ傾向の曲を選ぶ選手もいますし、全然違う曲を使って、私はこういう曲も表現できるんだよという選手もいます。新しい魅力をアピールする上では、様々な曲を踊れた方がいいのかなと私は思いますね。」
だが、過去には「例外」の選手もいたという。
「浅田真央選手が現役中に、ショートもフリーも音楽は一緒ながら演奏が違うもので勝負をしたことがありました。こんな表現の仕方もあるんだなと思ったので、ショートとフリー同じ曲想もありだなと思います。
あとは、ジャッジ目線でみてると、ショートとフリー全然違う曲の場合、新たな魅力が発見できたりもします。選手にとっても楽しいんじゃないかなと思いますね。」