山川穂高を巡る“人的補償大騒動”で再注目 「称賛されて然るべき」内海哲也、長野久義という生き方
いまだ余波が広まるなか、ファンの間で「再評価」が進んでいる二人の男がいます。ともにFAの人的補償で巨人を離れた内海哲也投手と長野久義外野手です。
内海投手は18年オフに、西武から巨人へFA移籍した炭谷銀仁朗捕手の人的補償として西武に入団。相次ぐ故障もあって4年間で一軍では2勝止まりでしたが、野球に対する真摯な姿勢は若手投手陣の間でも多くの信奉者を生み、「生きたお手本」として強い影響を与えました。
引退後は西武のファーム投手コーチを務め、後進の育成に寄与。現役時代から師弟関係にあった巨人・阿部慎之助新監督の誕生に伴い、古巣に戻りましたが、筋を通す姿勢は西武ファン、巨人ファンだけでなく多くの野球好きから称賛されています。
長野選手は同じく18年オフ、「内海西武移籍」からわずか17日後に、広島から巨人にFA移籍してきた丸佳浩外野手の人的補償として広島へ。しかし、新天地でも人格者として愛されキャラの立ち位置を確立し、巨人に戻った今もなお、広島における「長野人気」は不動となっています。
前述のベテラン記者は言います。
「内海投手も長野投手もドラフトの際には巨人への思いを貫き、他球団の指名を断って入団した経緯があります。そんな『功労者』もプロテクト漏れしてしまうのがFAの厳しいところ。二人とも思うところもあったでしょうが、気持ちを切り替えてゴネることなく新天地へ向かったその姿勢は、称賛されて然るべきでしょう。
そして引退後、指導者になったとき、他球団の異文化を体感した経験は必ず役に立ちます。『求められて行く』わけですから、人的補償での移籍は決して悲観するものではない。むしろ『新たな出会い』を楽しむぐらいの強かさが、プロ野球選手には求められると言えるでしょう」
今回の騒動の末、所沢の地に向かうことになった甲斐野央投手の未来が明るいものになることを、願わずにはいられません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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