衝撃だった19年前の電撃引退はなぜ? 中田英寿にサッカー界への“未練”はあるのか「恋しくないと言えば、噓になる」
当時の心境を米メディア『The Athletic』で語った本人曰くW杯の6か月前に決めていたという決断は、“情熱”が引き金となって生まれた。
「自分はずっと情熱を求めてプレーしていた。あくまで好きなのはプレーすることであって、指導することでも、それについてコメントすることでもない。その情熱がなくなってしまったんだ。情熱がなかったら、自分に嘘をついているようなものだった」
アジアのベッカムともいわれたカリスマを誇り、サッカー界における名声もあった。それを捨てても自分に嘘はつけない。ある意味で正直すぎるのかもしれない男は、「引退したとき、多くの人から『まだプレーできる』とか、『サッカー業界で働いてコーチにでもなればいい』と言われた」と告白。その上で持論を展開している。
「でも、僕はできるから選んでいるわけじゃないんだ。とにかく好きで、やりたいからやっている。その時にファッションが好きならファッションを、他の文化が好きなら、他の文化に触れる。そして日本酒が好きなら日本酒をやる。全ては情熱のためにやっているんだ」
では、サッカー界に未練はないのか。中田氏はこう続けている。
「(プレーすることが)恋しくないと言えば、噓になるかもしれない。でも、今は違うタイプの情熱と感情がある。僕は後ろを振り返らない人間なんだ。常に、前を向いているんだ」
現役生活を離れてから世界を周遊。その中で日本酒や農業など日本文化の継承や発展を目指し、実業家としてのセカンドキャリアもスタートさせている中田氏。人々を唸らせるカリスマは、今も健在である。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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