「底から這いあがって、今の自分が1番強い」35歳の扇久保博正が戦い続ける理由とは
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2021年大晦日のRIZINバンタム級JAPANグランプリに参戦し、決勝で朝倉海を下して優勝を飾った扇久保博正。その激闘からおよそ9か月ぶりとなる9月25日、さいたまスーパーアリーナで行われる格闘技イベント『The Battle Cats presents 超RIZIN / 湘南美容クリニック presents RIZIN.38』で、キム・スーチョル(韓国)と対戦することが決まった。そんな大会直前の扇久保博正に独占インタビューを実施した。
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修斗世界フライ級王者や、昨年末のRIZINバンダム級グランプリで優勝するなど数々のタイトルを手にしてきた扇久保。そんな彼の人生は決して順風満帆ではなかった。
「はじめは上京して修斗の世界チャンピオンになる事が夢だったので、7年くらいかけて取りました。その後からは経済的にも稼いでいかなきゃいけないことを知ったので、戦いながらお金を稼ぐという事が原動力になっていたかもしれないです」
岩手県久慈市出身の男は、世界チャンピオンに成りあがるまでを、そう振り返る。厳しい世界の中で強さだけを追い求め続けるのでなく、経済的な部分でも成長することが自身の原動力になっていったと明かした。さらに、2000年代前半に世界的に人気を博した総合格闘技イベント「PRIDE」が無くなり、その後の2005年から2010年までの10年間は大きな舞台が「UFC」しかなかったことが、扇久保を苦しめた。さらにプライベートでも試練が訪れたと扇久保は語った。
「プライベートでも離婚を経験して、子供とも離れ離れになった。あの時は本当にどん底でした。今は底から這いあがってきて、今の自分が精神的にも肉体的にも1番強いです。再婚もしたので、今は家族のために頑張ろうというのが一番強いですね」