F1撤退を決めたホンダ 注目が集まる「勝てる技術力」の継承
レッドブル・ホンダのマシン(ホンダ提供)
ちなみに1960年代の第1期プロジェクトも公害問題で撤退した後に、F1の技術がフェラーリに受け継がれたといわれている。
ホンダが撤退を発表したことでレッドブルと、兄弟チームのアルファタウリは新たなパワーユニットを探す必要がある。
レッドブルはF1車両の技術開発などを行う「レッドブルテクノロジー」を有しており、過去には英アストンマーティンとの共同開発でハイパーカーは世に送り出した。ホンダのPUを受け継ぐ場合はそこが受け皿となり得る。選手の契約など渉外関連を担うレッドブルのヘルムート・マルコ相談役もドイツのメディアに「知的財産権などはすべて引き継ぎ、エンジンをわれわれ自身で(ホンダの前線基地がある)ミルトンキーンズで準備することが望ましい」と語った。
レッドブルはPUも製作するメルセデス、フェラーリ、ルノーと異なり、車体製作のみのプライベートチーム。過去にはパワーユニット供給で提携していたルノーと仲たがいしたこともあり、ワークスチーム化は悲願といえる。
ホンダ側は現時点で第2期のような無限への継承を否定しており、選択肢は完全撤退かレッドブルへの事業継承しかない。そのため、勝てる技術力をようやくつかんだにもかかわらず、F1の活動を終了することにはホンダの社内でも賛否を呼んでいるのは事実だ。
撤退を余儀なくされたとする理由は、4輪の売上不振、新型コロナウイルスの感染拡大などもあるだろうが、F1の活動を続けながら、カーボンニュートラルの技術開発も進めるという形にせめてできなかったか。そこが惜しまれる。
[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]
トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)
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