「世界一の選手にならなきゃいけない」イチローが“現役最後の日”に残した大谷翔平へのメッセージ いま強調したい「言葉」とは
東京ドームで華々しく現役生活に幕を閉じたイチロー(右)。そんなカリスマが会見で大谷(左)に向けた言葉は実に重みがあった(C)Getty Images
今から約4年前。日本球界が世界に誇る天才バットマンは惜しまれながら現役を引退した。オリックスやマリナーズで活躍したイチローである。
NPBで9年、MLB19年という選手生活で積み上げた通算安打数は4367本。まさに偉人と言える数字だ。そんなヒットを積み重ねるたびに、さまざまな思い出を残してきた孤高の天才は、アスレティックスとの引退試合の舞台となった東京ドームで万雷の拍手と声援を背にし、第一線から退いた。
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球史に残るレジェンドとしてユニフォームを脱いだ。だからこそ、試合後に真夜中まで及んだ引退会見での言葉の数々は重みがあった。そのなかでとりわけ気になったのは、“後進”へのメッセージだ。稀代のカリスマは“ある男”の名を挙げ、目を輝かせた。
「物理的にも(身体が)大きいわけですし。アメリカの選手とまったくサイズ的にも劣らない。しかもあのサイズであの機敏な動きができるというのはいないですからね。それだけで。世界一の選手にならなきゃいけないですよ」
メジャー2年目を迎えていた当時の大谷翔平はまだ、のちに開花するポテンシャルを米球界で発揮しきれずにいた。18年にトミー・ジョン手術を行った影響から満足のいくプレーを見せられずに、本人にとってもどかしい時期だったかもしれない。