【甲子園】越権行為?「1球スイッチ打法」に審判がNO!個性認められず、初戦敗退
幻惑打法が、不完全燃焼に終わった。
1球ごとに打席を右左に代える奇策を夏の甲子園でも仕掛けたのは、有田工(佐賀)のスイッチヒッター山口洸生内野手。13日浜田(島根)戦の第2打席、4回1死走者なしの場面。相手左腕に対し、初球は右打席に立ち、2、3球目は左打席へ、4球目にまた右打席に戻り、7球目を打って遊ゴロだった。
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今春センバツや佐賀の地方大会でも披露し、SNSで拡散され、大リーグ公式サイトでも紹介されて話題になった「1球スイッチ打法」。打席を変更するたびに、満員でうまった甲子園スタンドからどよめきが起こった。
山口は「本当は1球ごとに打席を入れ替えたかったんですが、審判さんから制限がかかってできなかった。『1球ごとはやめてくれ、ここの場面では見せるところじゃない』と言われた」。他の3打席は相手が右投手でもすべて右打席に立って無安打で、チームも初戦敗退。「自分らしさは発揮できた」と、つめ跡は残したが、持っているすべてを出し切ったとはいえない。
有田工には試合前に、大会本部から通達があったという。「打席を入れ替えることで投手を惑わし、四球だけを狙う意図がうかがえたら、フェアプレーの精神に反するので球審が注意することがある」といった内容。話題となっていた1球スイッチ打法に、事実上の「禁止」を言い渡した形だ。
野球規則によると、投手が投球姿勢に入った際や、バッテリーがサイン交換している時に打者が打席を変更すると反則行為でアウトになるが、1球ごとに打席を変えること自体は問題ないとされている。打席の判断を奪う、大会本部や審判の介入には疑問が残る。